2008年、〈米国産牛肉BSE問題〉などの報道により国民の支持を失いかけた李明博政権は、メディ アへの露骨な政治介入を始めた。目をつけられたのは公共放送局KBSと公営放送局MBCで、政権に批判的なトップを辞めさせ、報道チームを解散させ、記者たちも非制作部門へと追いやった。
KBSとMBCの労働組合はスト ライキで対抗するが政権が送り込んだ新しいトップたちは解雇や懲戒で追い詰めていく。その結果、政府発表を報じ るだけの「広報機関」となった放送局は「セウォル号遭難事故」で全員救助の大誤報を流したり、「崔順 実(チェ・スンシル)ゲート事件」(2016年10月に表面化した大韓民国の朴槿恵 大統領とその友人で実業家の崔順実を中心とした政治スキャンダル)の隠蔽に繋がっていく。
監督さんは韓国の公営放送MBCで社会派ドキュメンタリー番組のプロデューサーだった方。彼はMBCを解雇されたが、同じく解雇された記者たちと私的なメディアを立ち上げた。解雇されなくても関連のスケートリンク職員になって肉体労働をしている人たちも映していた。
国家権力の不当な弾圧の下で闘ってきたマスコミ関係者たちを映した骨太なドキュメンタリーだった。
⭐️つい3日前ぐらいに、ネットニュースでNHK関係者からとみられるタレコミが国会議員の事務所に届き、29日の参院総務委員会で共産党の山下芳生議員が明らかにした。「ニュース7(N7)」「ニュースウオッチ9(N9)」「おはよう日本」の番組編集責任者に対し、NHKの幹部が森友問題の伝え方を連日、細かく指導している。を知って愕然とした。
🎬『選挙に出たい』邢菲(ケイヒ)監督/中国、日本/78分
1960年に中国・湖南省長沙市で生まれた李小牧(リ コマキ)は1988年に来日。新宿の歌舞伎町で外国人観光客を相手に風俗店や飲食店を紹介する案内業で界隈で有名になって、その経験を小説「歌舞伎町案内人」を出版。
そんな彼が、新宿区議会議員選挙に出馬するために日本に帰化申請をして、日本人になって精力的に選挙活動を始める。その一部始終を中国のドキュメンタリー監督・ケイヒさんが、彼のたどたどしい日本語で街頭演説する姿や私生活などを映し出している。
まず彼のプロフィールを
1960年 中国湖南省長沙市生まれ
1975年〜81年 湖南省湘潭市歌舞団にてバレーダンサーとして活動
1981年〜83年 湖南省の雑誌「芙蓉」で文芸誌記者として勤務
1983年〜88年 深圳の貿易会社「深圳銀城服装公司」勤務
1988年 留学生として来日
1993年〜 現在 新宿・歌舞伎町案内人ならびに作家として活動
2007年〜 現在 中国レストラン「湖南菜館」プロデューサー
2015年 在日27年、日本国籍取得
面白かった ❗️このドキュメンタリーは去年の山形で上映されていた作品。題名は見たことがあったが数多ある中で見逃していた。なんとエネルギッシュでチャーミングな男性だろう。これは全国で順次公開されるので是非是非ご覧いただきたい。
⭐️女性監督作品だから今年のあいち国際女性映画祭に女性してほしかった。