1997年、中国。とある町の国営製鋼所で保安部の警備員をしているユィ・グオウェイ(ドアン・イーホン)は、近隣で多発している若い女性の連続殺人事件の捜査に刑事気取りで捜査をする。
顔見知りの刑事から情報を手にいれた彼は自ら犯人を捕まえようといろいろ聞き回り、死体が発見される度に事件に深入りしていく。
ある日、馴染みの娼婦・イェンズ(ジャン・イーェン)が犠牲者たちに似ていると直感したユィの行動によって、事件は思わぬ方向に進んでいく。
これは幸運なことに2回観た。2回目も新鮮な感覚で観入った。
工場の公安の彼は、刑事本来の張り込みや聞き込みという基本中の基本を忠実にやっていく。その迫力に満ちた行動は殺人事件を追うことで現実から逃避したいという願望が見え隠れしていた。
印象に残ったのは空模様。雨がずっと降っているかどんよりとした曇り空で陰鬱な雰囲気を表していた。最後は彼の「人生の空虚さ」をうかがわせる終わり方だった。
⭐️第30回 東京国際映画祭で「最優秀男優賞」と「芸術貢献賞」をダブル受賞した中国の本格的サスペンス。
⭐️正月気分から早く抜け出したい方にオススメする。