13歳のジュゼッペ(ガエターノ・フェルナンデス)とルナ(ユリア・イエドリケヴスカ)はシチリアの小さな町に暮らす同級生。
ジュゼッペは野犬に襲われそうになったルナを助けてくれたり、自分の厩舎で馬を見せてくれたりして仲良くしていたが、その後、突然ジュゼッペが行方不明になってしまう。
ルナは学校にも来なくなったジュゼッペを心配して先生や両親に聞くがみんな口を閉ざして何も教えてくれなかった。
ジュゼッペの家に行っても相手にしてもらえず、思い余って、親友のロレダーナ(コリン・ムザッラリ)と協力して町中でビラ配りを始めた。
哀しくて辛い映画だった。
これは1993年に起きた誘拐事件で「ジュゼッペ・ディ・マッテオ少年誘拐事件」が基になっている。マフィアのやってることを警察に協力して「改心者」となった父親に仕返しをする為、マッテオ少年が誘拐され、25か月間暗い密室に監禁。そして殺された。それも無残な殺され方で……。
作りとして、現在なのか過去なのか想像なのかがすぐにわからないところもあったが、ジュゼッペとルナの純真な愛の交流を幻想的な手法で切なくも美しく描いている。
⭐️5月に公開された『ゲティ家の身代金』の誘拐された土地もイタリア。最後、解放された時に村の家々に助けを求めるゲティ家の孫を、どの家もマフィアと関わりになりたくないので戸をあけなかったことを思い出した。