会場は今週公開の映画たちを尻目に観客数は一番多く、男の方お一人様が多かった。その中で中年ご夫婦がいて見終わって出るときに「ニコラス・ケイジの映画はあなたがどんなに一緒に行こうといっても、もういかないからね」と言う声が聞こえた。夫の方はだまっていた。
この奥様の気持ちはわかる。はっきりいって狂気の映画で、その狂気がずっと続くので「これが普通だ」と神経が麻痺するという「未体験感覚映画」だった。
🎬『マチルダ 禁断の恋』アレクセイ・ウチーチェリ監督/ロシア/108分
1800年代末のロシア・サンクトペテルブルク。皇位継承者であるニコライ2世(ラース・アイディンガー)は、ロシヤマリインスキー・バレエ団の伝説の プリマとして謳われた美しいバレリーナのマチルダ(ハリナ・オルシャンスカ)にひと目惚れしてしまう。二人の恋は国を揺るがすほどの大問題になり……。
これ、実話。ニコライ2世といえば日本にも大いに関係が深い方だ。1891年に日本を来訪されたニコライ皇太子に滋賀県警の巡査がサーベルで斬りつけた「大津事件」が有名な話だ。
そしてロシア革命で1918年に皇帝ニコライ2世は妻子と共に銃殺されてから100年目という今年に公開。
そのニコライ2世の恋物語を軸に少し大仰に(と思う…)描いている。バレエが中心ではなくて宮廷の慌てふためいた様子や闇の駆け引きが中心になっている。
⭐️皇帝ニコライ2世一家は銃殺されたが、マチルダはなんと99歳まで生きたとエンドロールに記してあった。