モスクワ南部・ロストフ州。農場で子供の死体が発見された。州の警察本部の検死官ブラコフ(スティーヴン・レイ)は着任早々近くの森から次々と発見された子どもや若い女性の死体を検死する。
この事件を連続殺人犯の犯行と直感した彼は上司たちに伝えるが「共産主義社会に殺人鬼はいない」と片付けられてしまった。
直属の上司のフェチソフ少佐(ドナルド・サザーランド)だけは耳を傾けてくれて、捜査がやりやすいように捜査官という一段上の身分を与えてくれて、念願の2DKの住まいもすぐに手配してくれた。だが、なんの手がかりもなく被害者は増える一方だった。
観たい観たい作品だったからすごく興奮した。
う〜ん、やっぱりすごい! 俳優陣が地味にすごい!スティーヴン・レイ検死官(のちに捜査官)とその上司にドナルド・サザーランド、そして精神分析医ブハノフスキー博士のマックス・フォン・シドー。
15年に以上前に見たときの感動がよみがえって来た。犯行を犯していくチカチーロの身辺も、追う捜査官の家庭も短い会話の中で的確に描けていたし、旧ソ連の中で思うように捜査できないブラコフ捜査官の苛立ちも伝わってきた。
ドンパチもカーチェイスもない静かな作品だったが、訴える力は大きい刑事物の名作。
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