先日の東京国際映画祭で観られなかった日本映画。SABU監督と劇団EXILEのコラボによる人間ドラマ。
ヒロシの場合
熱烈なおばちゃんファンに支えられて舞台で輝いている2流アイドル演歌歌手ヒロシ(青柳翔)は、コンサートの帰り道にファンの一人・雅子(筒井真理子)に付きまとわれ、そのまま彼女の部屋につれこまれ監禁されてしまう。
相当、人気のある演歌歌手でリズム感もいいし声のキレもいい。客いじりもうまいからファン同士のいがみ合いもあるが、昌子(筒井真理子)は「私が一番のファン」と歌う曲の順番まで口出しする。連れ込んだ自室にはヒロシの写真などがびっしり!
異常なストーカーおばさんだけど迫力があって面白かった。
タケルの場合
大切な彼女がヤクザの抗争に巻き込まれ瀕死の重傷を負い意識不明の状態。毎日彼女の意識回復だけを望むタケル(町田啓太)は、夢で見たお告の「善いことを積めば彼女の意識が戻る」と信じて毎日必死に生きている。
タケルは善良な男でいいことをしようとあちこち見回るがなかなか見つからない。泣いている女の子を心配して近づくが変態と間違えられる。良いことをするのも難しいという皮肉さが込められている。
テツオの場合
刑期を終え、刑務所から出たテツオ(鈴木伸之)は、自分を刑務所送りにしたヤクザに復讐しようと組の事務所に一人殴り込みをかける。
刑務所出たてのテツオには認知症の母親がいて死んでしまった夫を「お父ちゃんを迎えに行こう」と言うが、嫌な顔もせず彼は車椅子をひいて外を散歩する親孝行息子。でも裏切ったヤクザには容赦せず「金づち」でガンガンやる。
この3人が最後に……、この作品はエンドロール後にも上映が続くので最後までお帰りにならないように。