「ポーランド映画祭2018」11月10日〜11月23日 恵比寿にある東京都写真美術館ホールにて開催されている。ミッキーはポーランドの女性監督作品を中心に観る予定。http://www.polandfilmfes.com
ポーランド映画祭で上映される作品を2題。
🎬『イーダ』パヴェウ・パヴリコフシキ監督/ポーランド/80分
1960年代初頭のポーランド。孤児として修道院で育てられた少女アンナ(アガタ・チュシェブホフスカ)は、もうすぐ正式に修道女になる。そんなある日、院長から「あなたには叔母がいるが、一度会いに行くか」と聞かれた。
その存在さえも知らなかったイーダは、正式に修道女になる直前に叔母のヴァンダ(アガタ・クレシャ)に会って見ようと修道院を後にした。
叔母のヴァンダからいろんな衝撃を受ける。手始めは「あなたの名前はイーダ・レベンシュタイン、ユダヤ人よ」と言われる。
突然知らされた自分の過去に愕然として修道院に帰ろうとするが叔母が追っかけて来た。そこから2人は、イーダの両親の過去を知る旅に出る。
昔、叔母や母親が住んでいた家に行くが、今住んでいる人は「いまさら何事か」と身構える。納屋ならいいと言われ入る・・・朽ちたその屋根には叔母が教えてくれた母の趣味のステンドガラスが半分だけ残っていた。モノクロ映画だったはずなのに、鮮やかに「色」をたたえていた。それをじっと見つめるイーダ。台詞も少なく、演出も抑えてあるが想像力がかき立てらた。
🎬『ゴッホ〜最期の手紙〜』ドロタ・コビエラ、ヒュー・ウェルチマン監督/イギリス、ポーランド
郵便配達人のジョセフの息子・アルマンはパリに届ける一通の手紙を託された。その手紙とは父の友人で自殺した画家ゴッホが彼の弟テオに宛てた最期の手紙だった。
『イル・ポスティーノ』も郵便配達人との交流だった。昔は手紙が通信の命綱だったから、それを届ける人との交流は今想像する以上のものがあった。ゴッホも弟・テオの文通は、生活、製作活動、精神的なよりどころで、弟に最期の手紙を渡す郵便配達人の使命はどれほどのものだったろう。
映像も俳優さんたちにゴッホの最期の日々を演じさせて、それを世界中から125名の絵描きさんの手でゴッホの描き方で6万枚以上の油彩画となった。1秒に12枚の油絵を高精細写真となり、動きを与えている。技術的にも稀な作品だ。