過眠症で引きこもり気味の寧子(趣里)は、ゴシップ雑誌社の編集をしている津奈木(菅田将暉)ともう3年、同棲している。感情のコントロールができない彼女は、自分に本気で向き合おうとしない津奈木に苛立っていた。
ある日、津奈木の元恋人の安堂(仲里依紗)が現れ、寧子を追い出すために、喫茶店のバイトを勝手に決める。強く断る気力もない寧子はそこで働き始めるが……。
原作は本谷有希子さんの小説。家事もほとんどできない彼女ために、いつもコンビニ弁当を二つ買ってきて気をつかっている彼に「私を怒らせないために、すぐごめんというのにイラつく」と喧嘩を売る……。
若い方に是非とも観てほしい「痛い痛い」映画。菅田より趣里の演技に驚愕した。津奈木も今の時代を、職場でも家庭でも波風立てないでやり過ごして生きている。内面ではイライラしてる自分を見ないようにしているが疲れ切って行く。
現代の若者の生きにくさがに息がつまる思いだった。タイムスリップして若返りたいが、今ならごめんこうむりたい。
🎬『体操しようよ』菊池健雄監督/109分/ミッドランドスクエアシネマ2にて
38年間無遅刻無欠勤の真面目だけが取り柄の会社員・佐野道太郎(草刈正雄)は、18年前に妻を亡くしてからは娘の弓子(木村文乃)と2人暮らし。
家に帰ると「今日から一切家事はしません。自分のことは自分でしてください」とテーブルに置き手紙とエプロンが置いてあった。 家庭内別居の父娘になってしまった。
毎日が日曜日なので朝からビール、テレビと、居間は瞬く間に寝室兼食堂に様変わりしていった。
そんなある日、道太郎は偶然、地元のラジオ体操会に参加することになり、体操会のマドンナで喫茶店経営の、のぞみ(和久井映見)に胸ときめかせるが……。
先が読めてしまう展開で、演出も上手くない。定年だから65歳かと思ってしまう身体の固さ、今時の60歳ならもっと溌剌としている。
退職後すぐは若々しく、次第に生活が乱れて太ってきてダラダラになって、という設定の方が説得力がある。
⭐️ラジオ体操の「🎶新しい朝が来た、希望の朝だ」の歌詞が心に響いた。
🎬『モダンライフ・イズ・ラビッシュ 〜ロンドンの泣き虫ギタリスト〜』ダニエル・ギル監督/イギリス/104分/ミッドランドスクエアシネマ2にて
レコード店で選んでいる時に出会ったリアムとナタリー(ジョシュ・ホワイトハウス&フレイア・メーバー)。リアムは、デジタル化した音楽のダウンロードを嫌い、アナログであるCDやレコードのコレクションを大切にしているミュージシャン。
ナタリーは、レコードのジャケットデザイナーになる夢を持っていたが二人の生活のために広告会社で働いていた。しかし、リアムの生活態度や感情の行き違いで別れることになって……。
リアムがナタリーと出会うレコード店のシーンがとっても良かった。そして最後にナタリーの大好物リコリスの歌を熱唱するシーンも泣けた。泣き虫ギタリストじゃなく、観客が泣き虫になってしまう。(最初と最後がいいから観て損はない)
⭐️デジタルとアナログ。その対比がうまく描かれていた。