ニューヨークを牛耳るユダヤ人社会にどうにか食い込もうと自称フィクサーのノーマン(リチャード・ギア)は嘘とはったりで人脈を広げようと必死だった。
でも、そうそううまい話は転がっておらずヤケになっていたところ、ニューヨークを訪れていたイスラエルの新進の政治家エシェル(リオル・アシュケナージ)を見かけた。
彼は今後のための肩書きを利用しようと靴屋のショーウィンドウを覗いているところに、偶然を装ってエシェルに近づいて、意気投合をしたふりで、超高級ブランドの靴をプレゼントして電話番号を教えて貰った。
それから3 年。エシェルはイスラエル首相に出世。ノーマンは支援者パーティに参加する。音信不通だったエシェルはノーマンの顔を見るなり感激してノーマンを抱きしめ「ユダヤ人名誉大使」と人々に紹介してくれて……。
紳士のイメージが強いリチャード・ギアさん。でも公開されていないがDVD『ロスト・イン・マンハッタン 人生をもう一度』(オーレン・ムーヴァンマン監督・原案・脚本)で浮浪者役をやっている。http://mikki-eigazanmai.seesaa.net/article/432853046.html
この浮浪者役の時、ゴミ箱をあさっていたら、本当の浮浪者と思った女性が自分の食べ残しのピザを差し出したというアクシデントがあったが撮影は続行したらしい。そんな役もやっているのでちょっとうらぶれたフィクサー役には驚かない。
驚かないが、とことんずる賢くできないノーマンの姿はハラハラするし同情してしまった。人生の浮き沈みを見ると歳のせいか切なくなってきた。