ある日、初老の男ダヤ(ラリット・ベヘル)は不思議な夢を見て、自分の死期を悟った。彼はガンジス河沿いにあるヒンドゥー教の聖地「バラナシ」に行くと家族に言う。
妻や息子は反対するが聞く耳もたないダヤ。仕事が忙しく責任ある地位の息子ラジーヴ(アディル・フセイン)はしぶしぶ同行する。
行き先はバラナシにある安らかに死を待ちながら暮らす「解脱」の家だった。ダヤはそこで仲間と残された時間を有意義に過ごそうとするが、仕事が気になりいつまでこの時間が続くのかと不安になっていた。
死期を悟る境地とはどんな気持ちだろう。ダヤは病人だったわけではない。年齢は70歳ぐらいだろうか。72歳のミッキーは「もう年だ」と自覚することはあっても、死期を悟るなど当然ない。
この映画を観て、生と死がこれほど混沌とした場所で、ゆるやかに死をむかえるのに最高の地だと思った。解脱の家といってもかた苦しい感じは微塵もなくダヤの妻子もここに様子を見に来ている。
⭐️解脱の家の決まりごと
清掃は自分で行い、頼むときは手間賃を渡す
健康維持は自己責任、医療施設はない
食事は自炊、外食でも肉、魚は食べない
アルコールは禁止だが、大麻入りラッシーはOK
解脱しようがしまいが滞在は15日まで。(と書いてあったが何年も住んでいる人もいる)