メキシコ国境にほど近いカリフォルニアのとある町。違法移民、素行不良者、麻薬中毒者など、貧困低層の「ローライフ」住人たちが暮らしていた。
元覆面レスラーのエルモストロ(リカルド・アラム・ザラテ)は、偉大なる覆面レスラーだった父親の息子という過去の栄光を捨てて、妊娠中の妻ケイリー(サンタナ・デンプシー)を養うために、誘拐や臓器売買など犯罪を斡旋するテディ(マーク・バーナム)の手下になって働いていた。
妊娠中なのに麻薬中毒の妻ケイリーとはケンカばかり。そんなエルモストロにとって、やがて生まれてくる赤ん坊だけが希望の光だったが…。
カナダの「ファンタジア国際映画祭」で特別審査員賞と観客賞をダブル受賞したクライムドラマ。新宿シネマカリテの「カリコレ2018」でも上映されて、両極端の評を読んで観たくなった。大阪に用事もあったのでレイトショーに行った。
4人の物語が繋がっている。が、それは最後の最後でわかる仕組みでDVDが出たら復習したい作品。
まず、1 覆面エルモストロ、妊娠中の妻。2 不法移民の臓器を切り刻ざむ残虐親分テディ。3 安ホテル経営の女・クリスタル(ニッキー・ミッチョー)と臓器移植を待つ夫。4 刑務所から出てきたばかりで顔にナチスの鈎十字のタトゥーを入れている若者。
その4組が別々の視点から事の次第をちようどいいスピード感で映している。音楽は物を擦って出てくる音が使われていて雰囲気を盛り上げている。
が、終わりはほっこりさせてくれるが、絶対、万人向けではない。臓器を手際よく切り分け発泡スチロールの箱に6個に入れて秘密臓器移植ルートに渡す。(そのシーンは一生忘れない)連絡受けた安ホテル経営の女は夫に「臓器が見つかったのよ。それあなたにぴったりのよ」と喜ぶ……。
全部書きたいのをぐっと我慢するが、大阪も今週レイトショーのみ。名古屋はやるならスコーレさんかな。ミッキーはDVDを待ってじっくり見る予定だ。