2018年09月22日

アジアフォーカス・福岡国際映画祭(5)『十字路』『バスは夜を走る』

福岡の皆様 ありがとうございました。また来年おじゃまいたします。それまでお元気でお過ごしくださいませ。


🎬『十字路』ナム・ロン監督/マレーシア/81分/日本初上映

舞台はマレーシアのクアラルンプール郊外の路地裏。スギマン(アリオ・バユ)は工事現場で働くインドネシア移民のシングルファーザーで幼い息子と暮らしている。

スギマンの妹も兄を頼りに家政婦として出稼ぎに来ていたが「約束とは違う。仕事でこきつかわれパスポートまで雇い主に取り上げられた」と兄のところに逃げ出してきた。

インドネシアに帰ると言い張る妹にスギマンはパスポートのことや帰国できるまで隠れるアパートを見つけたり奔走する。

インドネシアに行く方法を自分の社長に相談すると「あんたは泳げるか、うまい方法があるが、それまで雇い主に見つからないよう隠れているよう」と言ってくれた。

一方、この地方を取り締まる警官のハッサン(ロスディーン・スボー)は生活費や小遣いを補うために小さな犯罪なら見逃してお金をもらっていたが、新しく組んだ相棒が正義感が強く短気な警官フセイン(ザヒリル・アジム)になったために、今までのように簡単にはいかなくなった。

マレーシアではよく聞く話らしいが、いつもお金のために「危ない橋」を毎日渡っているようなもの。

予定どおり進めばなんてことなかったところに、絶対アパートから出ていけないと兄から言われていたがお腹がすいたのか近くに買い物に出た妹(バカっと言いたい!)。兄に言われて8時間ほどしかたっていないのに、お前のために仕事しながら奔走しているのに。
少しの時間差で兄は食料を運んでいて、アパートのすぐ近所でパトカー警らをしていた例の2人の警官に尋問される。

ここで兄妹警官たち4人が争い、映画はぐちゃぐちゃ、いや、映画は面白くなるがドミノたおしのようにドドッと意外な方向に堕ちていく。

始めと終わりに出てくる男があの真面目で正義感のつよい警官とはしばらく気が付かないほど悪相になっていた。


🎬『バスは夜を走る』エミル・ヘラディ監督/インドネシア、マレーシア/131分/日本初上映

バスターミナルにサンパル行きの長距離夜行バスが到着する。目的地サンパルは2週間前に国軍とサンパル反乱軍の紛争が起きたばかりだった。

それでもバスは今までに何回も小競り合いがあったので楽観して、いつものように出発した。
だが、その深夜バスの旅はまるで悪夢を見ているようだった。


ミッキーはこの日奇しくも深夜長距離バスで名古屋に帰る日だったのでなんとなく映画の中と現実がリンクするんじゃないかと一瞬、ヒャッとした。

この深夜バスに乗っている人たちはジャーナリスト、美しい医学生、嫌みな成金男、若い恋人カップル、老婆と孫、偽盲人、運転手、運転手助手…、それぞれが目的を持って乗車している。

目的地に近づけば近づくほど創造を絶するバス内部。老婆と一緒にいた3歳ぐらいの可愛い女の子が映画とはいえ、こんな争いを目前にしてトラウマにならないか心配だ。

☆ミッキーの11時間半の深夜長距離バスの旅は無事に名古屋に着いた。
posted by ミッキー at 18:04| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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