小学生教師の工藤(高木公佑)は行き詰まりを感じて辞めた。毎日ぶらぶら過ごしていたが、ふらっと目に留まったバーに入ってみると……。
面白い!内容もユニーク!短編のうま味である起承転結がしっかりしていて、分かりやすい。
いつもてこずっていた小学生ぐらいの子らが、バーのカウンターでお酒を注文していて、愚痴までいっている。
「サッカーなんかやめたいのに、僕がやりたいって言って始めたから、今さら言えないよ」「僕はさぁ、姉ちゃんのピアノに付き合わされて習ってたんだけど、姉ちゃんは早々にやめて、見込みがあると言われちゃった僕ひとり習いつづけてんだよ、まあやめてもいいんだけど、そうしたら今度は絶対に塾に行けって言われるからピアノは続けてるんだ」と大人顔負けの愚痴オンパレード。
飲み物はもちろん水割りとかビールだ。だけどおつまみは子供の好きな駄菓子!監督さんは社会人の方でお仕事の合間に撮影されているそうだ。
子供にもそれなりの悩みがあるんだなと気持ちを入れ替えた元先生・工藤のその後もオチもしっかり見せてくれて大満足だった!
🎬『いきうつし』田中晴菜監督/30分
仏師として生活がたち行かず、見世物小屋で生人形作りをしている亀八(岡慶悟)は興行先の土地の名士から、不治の病におかされた娘の椿(笠原千尋)をいきうつしにした人形を作ってほしいと頼まれて……。
艶かしい作品。どの場面をとっても完成度が高い(相当お金がかかっている)。芝居じみた口上も雰囲気を盛り上げていた。主演のお二人とも役にぴったり。仏師の岡慶悟さんが来場なさったがスラッと長身のイケメンさんだった。