映画愛にあふれたドキュメンタリー。アフガニスタンの監督・サリム・シャヒーン。この監督さんは30年以上にわたり戦火のアフガニスタンで110本の映画を撮り、そして地方をまわって上映している。
監督は完全にメタボおじさんだが、行動力、低予算での映画作りの才能、演説のうまさ、そして「女性に優しい」のがミッキーは気に入った。このドキュメンタリーを撮った若い女性ソニアさんにいろんな面で気を使っていて優しい言葉をかけていた。
しかし、映画を上映する野外、室内には一人も女性はいない。サリム監督の三階だての家にカメラが入っても「第一婦人も第二も娘たちも皆、留守だ」と言って撮らせなかった。
🎬『Danchi Woman』杉本曉子監督/66分
85歳の打越シズさんは築50年の海岸通団地に住んでいる。この団地は間もなく新しいマンションに建て替えられてしまう。引っ越し、家賃の問題に直面する打越さんと団地住民の婦人たちは逞しく生きる道を模索して行く。
観るか観ないか迷っていたが、メインの写真がとっても良かったから朝からウイルあいちにきた。その写真にはかわいいお顔のシズさんが天真爛漫に笑っている。
監督さんのやり取りも都合の悪いときには無視したり聞こえないふりしたりと、なかなかのしたたかさを見せる。
引っ越し先は1Kと決まり、友人や査定にきた引っ越し業者が「荷物を整理しなきゃ」といっても捨てようとしないシズさん。新しい住まいには瞬く間に段ボールの絶壁ができてご本人さんもびっくり❗️ 業者さんに「まだまだこれで半分ですよ」といわれる。
まあ何とかおちついて座る場所、寝る場所ができてホッとしたのは観ているこちら側。思い出いっぱいの公団アパート、思い出いっぱいのがらくた(失礼!)。新しい住まいにも捨てきれない品物の数々がシズを守っているように感じた。