1987年1月14日。全斗煥大統領による軍事政権下の韓国。軍事政権の圧政にあえぐ国民が民主化を求めて国政に反発していた。
そんな時、学生運動のリーダーの友人のソウル大学生パク・ジョンチョル(ヨ・ジング)が南営洞警察のパク所長(キム・ユンソク)の命令で取り調べ中に死亡する。
隠ぺいのために警察は親にも遺体を見せず火葬を申請するが、何かおかしいと感じたチェ検事(ハ・ジョンウ)は検死解剖を命じる。解剖により打撲、感電、水責めの拷問致死であったことが判明する。
政府は取り調べをした刑事二人を逮捕することで終わらせようとするが、これに気付いた新聞記者、刑務所看守、仲間を失ったソウル大学生たち(カン・ドンウォン)も立ち上がって……。
この映画のチラシや資料に、お隣の国「韓国」の大変な時に、日本ではバブル時期初期で浮かれている様子が書かれていた。韓国が一人のソウル大生の死から始まる「真の民主化運動」のことなどはほとんど知らないままだった。
今年の4月に公開された『タクシー運転手 約束は海を越えて』で光州事件の7年後の話だが、その7年間に政治の中枢や警察内部ではどんなことが行われて来たか想像できた。
これは辛いシーンもあるが「観るべき」映画だと思う。
☆主役級の俳優さんもこの映画に賛同。危険を顧みず運動家に手紙を運ぶ看守役にユ・ヘジン、拷問死の真相を隠蔽するために逮捕されるチョ刑事役にパク・ヒスン、真相追及に奔走するユン記者役にイ・ヒジュン、看守の姪で大学生役のキム・テリ、警察にマークされている運動家にソル・ギョングさんたちが出ている。