グリム童話なら「シンデレラ」「白雪姫」が思い浮かべるが手法が淡い墨絵のような画像で言葉はフランス語。しかも白地が多い画面で文字が画面の下とあって見えにくい読みにくいの悪条件だった。
シンプルな筆のタッチで薄幸な少女の「手を切り落とす」「出産」のいわゆる大変なシーンは淡く美しく描かれていた。日頃観ているアニメ画像とはかけ離れていた作品だった。
🎬『悲しみに、こんにちは』カルラ・シモン監督・脚本/スペイン/100分/シネ・リーブル梅田にて
バルセロナに住んでいた少女・フリダ(ライア・アルティガス)はウィルス性の病で両親を亡くし、カタルーニャの田舎で自給自足の生活をしている若い叔父夫婦のところで暮らすことなった。
フリダはバルセロナでは祖母たちに甘やかされて育てられてきたので、田舎で生活する叔父エステバ(ダビ・ベルダゲル)と叔母マルガ(ブルーナ・クシ)そして幼い従妹のアナ(パウラ・ロブレス)は彼女を家族の一員として温かく迎え入れたが馴染めるには時間がかかって……。
ああ、涙、涙。会場の明るくなる微妙な間合いがこの映画にぴったりで嬉しい。これが3秒ぐらいで場内が明るくなるのは興ざめ。でも明るくなるのに7秒ほどあった。(いつもここはそうかもしれないが)
これは全女性に是非とも観ていただきたい。カタルーニャ地方の美しい風景の中でそれぞれが両親を亡くした少女フリダに良かれと思って接していく様子を切々と描いている。
☆名作『悲しみよこんにちは』に似ているのが損なのか得なのかわからないが、他の邦題でも良かったような気がする。