第二次世界大戦末期。イギリスの首相・チャーチル(ブライアン・コックス)は、ノルマンディー上陸作戦には反対していた。
国王ジョージ6世(ジェームズ・ピュアフォイ)が同席する場所で反対意見を述べるが、連合国軍最高司令官アイゼンハワー(ジョン・スラッテリー)に即座に却下された。
四面楚歌になったチャーチルは新しく雇い入れた秘書のギャレット(エラ・パーネル)に八つ当たりする。
そんな様子を見かねた妻クレメンティーン(ミランダ・リチャードソン)は、夫を国民の真のリーダーとして奮い立たせるのだった。
連合国軍のノルマンディー上陸までの96時間に焦点をあてて描かれている。
ブライアン・コックスのチャーチルは文句なし! アカデミー賞主演男優賞をもらった『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』のチャーチルよりうんと良い。
特に自然風景の中でチャーチルが一人いる場面が数回出るが、近景遠景のどちらも秀逸なシーンだった。
もうひとつ、国王がチャーチルの住んでいる館に出向いて「ノルマンディー上陸」を説得する場面も良かった。脚本のジョナサン・チュンゼルマンさんの力量が伺われた。
チャーチル夫婦の関係も「うまくいっている」時と「そうでない」時が、落ち着いた台詞で赤裸々に描かれていた。そういう点から見ても興味深い作品だった。