★「情けなくて、すみません」チャン・ナリ監督/約2分
若い女性は毎日、机の前に座って作業をしている。いつも顔はうつむいている。母親は、そんな娘が気に入らない。女は今日も肩身の狭い思いをしていて顔を上げることができない。
ご飯中も小言、叱責でいたたまれない女。もううなだれるしかない、逆らうことも、母親の顔すら見ることができない……部屋の空間と女性の位置のバランスが絶妙。短いがインパクトがあった。
★「深心」キム・スンヒ監督/3分30秒
人が他人の本当の気持ちを探ろうとする。試行錯誤するうちに、彼らはお互いを満たしていく。
サイコロ状の箱を使って解り得ようとする人間の動きが面白かった。色使いは原色だが影も入っていて箱の持つ立体感が増していた。
インディ・アニフェスト2017一般部門優秀賞
★「鼻」キム・ジュイム監督/8分30秒
会社の面接を明日に控えている女性は鼻の整形をしたが、翌朝起きてみたら鼻が無くなっていた。整形外科医に行っても、警察に鼻捜査を頼んでも鼻は見つからない……。
最初、鼻の手術が乱暴なのでのけぞってしまった。鼻は自尊心のシンボルとか、鼻にまつわることわざが浮かんできた。会社の就職を諦めた頃、母親から電話がかかる。その暖かい声で女性は自分のありのままを受けとめた途端、お鼻は少しずつ元に戻る。
整形天国の韓国ならではの作品だった。
★「(OO)」オ・ソロ監督/約3分
ミッキーも花粉症。くしゃみの出るきっかけのモゾモゾ感や、何回も連発する苦しみ、お鼻が真っ赤、等々観ているうちにくしゃみが出そうになった。題名は絵柄のみ。
★「RAINBOW」カン・ヒギョン監督/16分
青い肌を持つヒーロー「虹」と彼のガールフレンド「キムスニ」。キムスニは平凡な自分を好きでいてくれる彼の気持ちが信じられない。それより魅力的な彼の仕事上のパートナーである美しい「オーロラ」が似つかわしいと一人思い悩んでいる。
仮想の「虹の島」を舞台に繰り広げるロマンチック・コメディ。
普通の少女を通して、ありのままの素直さ、大切さがどんなに愛しい存在か伝わってきた。キムスニが中性的な女の子キャラクターだった。
インディ・アニフェスト2017観客賞