🎬『黄泉がえる復讐』クァク・キュンテク監督・脚本
何者かに殺された人間が真犯人に復讐するために生き返り、復讐を果たすと燃えていなくなるという「犠牲復活者」が世界を騒がしていた。
ここ韓国でも、7年前にジンホン(キム・レウォン)の母親(キム・ヘスク)が街中でバイクの男に財布を強奪されひき逃げに合い亡くなってしまった。 犯人も死亡して事件は捜査終了となった。
しかし、その後、検事となったジンホンは姉からの電話で死んだはずの母親が家に帰って来たという連絡を受け、すぐに会いに行くと母親は最愛の息子だったジンホンの顔を見るなり包丁で襲いかかって来て……。
『友へ チング』の監督さんだ。よみがえって、真犯人を殺して自身は燃え尽きて消えていく、そんな設定は不気味で恐ろしいが、ジンホンの母に関してはもっともっと複雑で頭が混乱してついていけなくなった。最後の方になって、映像、台詞で説明では面白みは半減。
母親役を演じたキム・ヘスクさんの必死の形相が見事。
☆よみがえるのなら土葬にしてほしかった……。
🎬『一級機密』ホン・ギソン監督
軍隊に所属していたパク(キム・サンギョン)は念願だった国防部に昇進した。軍事本部の航空部品購買部の課長としてエリート路線に入ったが、過去の購入履歴を調べると、特定の会社だけに取引が集中していることに疑問を抱くようになる。
その会社はエアスター社で、つい最近、パクにその会社の部品の欠陥を申告していた操縦士が任務中に墜落事故を起こし、パクは事故原因を調べるが……。
観客の人数が先ほどの『黄泉がえる復讐』より3倍に増えた。お客様はよく知っている。
これは韓国で実際に起きた事件だが闇に葬られていまだに進行中の事件。大統領からして汚職まみれの時代がつい最近まであった韓国だから身を乗り出して観入った。
☆ホン・ギソン監督は、2009年の『イテウォン殺人事件』以来、7年ぶりに新作『一級機密』の撮影を終えた時にお亡くなりになった。遺作となった見応えある作品を、是非とも観ていただきたい。