ユリア(アンナ・イサーエワ)は炭鉱の町に住む貧しい家庭の少女。父親はその昔ダンサーであったが、酒に溺れて挫折した。娘ユリアにバレリーナの才能があると見込み、自分も習ったボリショイのバレエ学校に入学させた。
その後、父親は死ぬが父親の恩師でもある老主任教授に可愛がられて才能を発揮できるが、いざ主役を射止める時になって……。
これは去年の12月に「ロシア文化を世界的規模で一年を通して一つの国で紹介する」という試みで2017年は日本で開催され、そのフィナーレとしてこの映画が上映された。
ユリアを演じたアンナ・イサーエワさん(映画チラシのバレリーナ)とプロジューサーのドミトリー・ダヴィデンコさんが来日。
もちろんバレリーナでお美しい方だったが、映画を観る前だったので「この一回だけの上映のために来日されたのか」と、このロシアンシーズンズの力の入れようは理解できた。でもトークが映画後だったら「ものすごい」感動の拍手が鳴り止まなかったと思う。
バレエ関連の映画はあまたあるが、バレリーナを夢みて田舎から出てきた少女が師弟、友人、実家の貧しさ、金銭にまつわること、教師の派閥など赤裸々に描かれていた。
アンナさんは映画の始まる前に「この映画でのことは全て事実です」と語っていたし、プロジューサーの方は、ボリショイ劇場の特別な計らいで内部を撮影させてくれたり、ワールド・プレミアはボリショイ劇場にスクリーンを張って上映できたことを誇らしく語っていた。
☆このロシアンシーズンズの時に短編映画も上映された。その中で、ミッキーが一番気に入ったのが『二台の路面電車』。10分のアニメだがロシアアニメの色彩が素晴らしい、乗り物同士の友情物語で機関車トーマスを彷彿させる作品だった。この短編がもうすぐ開催される熱海国際映画祭でも上映される。