ポーランドのワルシャワ郊外・セロックに住む家族。酒飲みの父親と自閉症の13歳の弟、母親は離れて暮らしている。家事などはぜんぶ14歳の少女オラの役目。
もうすぐ弟の聖餐式で聖書の問答集を暗記させているオラは、毎日、文句を言いながらもお母さんの役目をしている。たまに友達と遊ぶのにも家事をやってから父親の許可をもらうオラだった。元のように母親も一緒に暮らせるのはいつになるのだろうか……。
酒飲みで働かない父親、ミッキーの想像では、男を作って出て行き、その男の赤ん坊を産んだがあまり上手くいっていない母親、そして落ち着きのない弟……こんな家庭がオラの肩にズシンとかかっている。
どうも生活保護を受けているらしく、調査員が父親を酒場の入り口で見たというと、たまたまそこにいただけで入っていないとのらりくらり。今も酒が入っているねと問われても、飲んでいないとうそぶく。
弟の聖餐式に現れた母親は赤ん坊を抱っこして平然としている。それにこの家に帰って来たい様子で娘に相談している。娘のオラには口を聞くが弟には見向きもしない。
弟は学校に行ってるが問題児。家ではパソコンに夢中で、それ以外はみんなお姉さんまかせ。靴ひもも結べない。
書いててうんざりしてくる。こんな両親ならいらない !! と大声で叫びたかった。オラが美人で賢いのが唯一希望の種だが、いい方向に伸びていってほしいと願うばかりだ。
☆山形国際ドキュメンタリー映画祭2017にて大賞にあたるロバート&フランシス・フラハティ賞を獲得したが、
★中国のとある家庭の食卓風景を13ヶ月の間にひと月1定点で描き出す『また一年』朱声仄(ジュー・ションゾー)監督/中国
★南スペインの村で暮らしているマヌエルじいさんはロバと犬を連れてスペインからアメリカへ、かつて「チェロキー・インディアンが通った3500キロメートルの涙の道」を踏破したいと願っている『 ドンキ・ホーテ』チコ・ペレイラ監督/スペイン、ドイツ、イギリス
がミッキーの一押しだった。