別荘地行きの無料バスは夕方5時前まででタクシー乗り場に向かったが、タクシー会社に電話して来てもらうシステムだった。待つこと10分で来たが、我が家で降りたら周りは真っ暗闇……。
懐中電灯を持参するべきだった。目が慣れるまでたちつくしていたが、ハッと携帯の明かりがあると気がついてゆっくり階段を登った。土とコンクリートの階段は崩れかかっていて、ほぼ崖だ。ゆっくりゆっくり上がって玄関に到着した。
🎬『告白小説、その結末』ロマン・ポランスキー監督/フランス、ベルギー、ポーランド/100分/6月23日よりヒューマントラストシネマ有楽町他にて全国ロードショー公開
デルフィーヌ(エマニュエル・セニエ)は、心の病で自殺した母との生活を書いた本がベストセラーになって、一躍女流作家の仲間入りをしたが、期待される次作でスランプになってしまった。
そんなある日、サイン会で熱狂的なファンと言って近寄ってきた女性エル(エヴァ・グリーン)と知り合う。美しく頭のいいエルとは瞬く間に気を許す仲になり、住むところに困っていた彼女をデルフィーヌの自宅に住んだらと提案する。
その少し前から差出人不明の嫌がらせの手紙を受け取っていたので一人暮らしが不安になっていたのだ。
共同生活を始めて見ると快適な中にも、時どき、ヒステリックになるエルに困惑する。エルは何者なのか、なぜ私に接近してきたのかという疑問が湧き上がってきて……。
フランスの女性作家デルフィーヌ・ド・ヴィガンの「デルフィーヌの友情」の映画化。
監督さんはロマン・ポランスキー。この監督さんの中では1967年製作の『吸血鬼』が一番印象的だ。DVDで見たのだが監督とシャロン・テイトさんが出会ったきっかけの映画。学者の助手がポランスキーで宿屋の美しい娘シャロン・テイトに一目惚れという、映画の中でも私生活でも一目惚れ状態だ。
おっと、話がそれてしまった。新作の『告白小説、その結末』はかなり観る者を混乱させたり煙にまいたりと翻弄させてくれた。
監督さんの本領発揮だが正直なところミッキー好みじゃない女優さんなので、ちょっと突き放して観ていたが、この映画は「ちょっと突き放して」観たらいいのでは?と感じた。
女性はどんな人も複雑だ、小説家なら普通の女性×10倍は複雑。映画の最後にかけてそれが10倍の波になって飲み込まれそうになった。
☆調べてみたら主演のエマニュエル・セニエさんはポランスキー監督さんの奥様だった。その結婚は30年にもなるというご夫婦。