2018年06月05日

EUフィルムデーズ2018『ラスト・センテンス: 死者への裁き』

🎬『ラスト・センテンス: 死者への裁き』ヤン・トレエル監督/スウェーデン、ノルウェー

中立の立場をとるスウェーデンで、反ファシズムを訴え続 けたジャーナリスト、トーニー・セーゲルステットの1945年に亡くなるまでの一生を描いている。監督は『ハムスン』『マリア・ラーション 永遠の瞬間』のヤン・トロエル監督。主演はイェスパー・クリステンセン。

今年88歳のヤン・トレエル監督が2012年に製作したもの。毎年行っている北欧映画祭(トーキョーノーザンライツ映画祭)で数年前に『ハムスン』『マリア・ラーション 永遠の瞬間』を観ているので楽しみにしていた。

『ラスト・センテンス〜』も『ハムスン』と同様、世の荒波にもまれた1人の男に焦点を当てていた。その丁寧な描写はヤン監督の持ち味。


🎬『ハムスン』ヤン・トロエル監督/1996年/ノルウェー・スウェーデン・デンマーク・ドイツ

1997年スウェーデンアカデミー(グルドバッゲ)賞最優秀作品賞、最優秀主演男優賞、最優秀主演女優賞ほか9冠獲得。

ノルウェーの小説家。1920年に作品『土の恵み』でノーベル文学賞を受賞した。第二次大戦中、ナチスに利用され、戦後は戦犯扱いを受けた作家の半生を描いていた。時代の流れに翻弄されていく様が深くえぐられるように描かれていた。

クヌート・ハムスン(マックス・フォン・シドー)の気性は神経質で子ども嫌い、家庭を省みない時代もあって妻マリー(ギタ・ナービュ)や子どもたちから孤立していた。

周りは、それこそ国の宝のように扱うが、戦後は手のひらを返す仕打ち。本人は耳が遠くナチスの暴挙を知らなかった。新聞にも書いてなかったと訴えている。

それらが空しく聞こえるが、彼自身は自分のふがいなさにどんな罪でも受けると言って、裁判をしてほしいと頼み、法廷で自分のおかれた立場や考えを言う・・。その場面が圧巻だった。あんなに憎み合っていた妻とも手をつないで余生を送っていた。


🎬『マリア・ラーション 永遠の瞬間』ヤン・トロエル監督/2008年/スウェーデン・デンマーク・ノルウェー・フィンランド・ドイツ

20世紀のはじめのスウェーデンの港町マルメで、フィンランド移民のマリアさんはくじでカメラを当てた。

結婚後、よく働くが酒好きな夫シグリッドの間に、たくさんの子(最終的には7人?)を抱えた極貧生活の中で、そのカメラを売ろうと写真店へ行くが、店主セバスティアンにはげまされて(マリアの知的な言葉と知性ある眼差しが気に入ったのだろうか)彼女自ら写真撮影にのめり込んでしまう。

130分と長い作品だったが、貧しい時代を生きた実在の女性写真家の一生を、長女のマヤさんの視点を通して描かれている。
posted by ミッキー at 19:03| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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