朝から嬉しいニュースが飛び込んで来た。是枝監督の『万引き家族』がカンヌ映画祭最高賞のパルムドールを受賞したニュース。今村昌平監督の『うなぎ』以来21年ぶり。
年金満額ばぁさんとばぁさんの家に集まった疑似家族の物語で来月公開。是枝監督作品は『幻の光』から観尽くしているが、『誰も知らない』『空気人間』『奇跡』が特に印象深い。『万引き家族』は近々にアップしたい。
🎬『いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』シドニー・シビリア監督/イタリア/119分/5月26日よりBunkamura ル・シネマ他にて全国ロードショー公開
これは去年のイタリア映画祭で日本初上映となった作品。これは3部作になっていて、最初の映画は『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』
『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』
40歳になる神経生物学者のピエトロ・ジンニ(エドアルド・レオ)は、画期的な薬剤の開発をするが、誰にも理解されず研究費も打ち切られてしまう。追いうちをかけるように大学のポストも無くなる。同居の恋人ジュリア(ヴァレリア・ソラリーノ)には失職したことは言えなかった。
だが、彼のように才能があるが不運な研究仲間がいて、その仲間たちと違法薬物に指定されていない新ドラッグを開発する。それは特上のドラッグで瞬く間に大金が入るが…。 というお話でドタバタ喜劇。
そして今月公開のが2番目。
『いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』
『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』の合法のドラッグで、ひとり罪をかぶり刑務所生活を送る神経生物学者のピエトロ(エドアルド・レオ)は、恋人ジュリアが妊娠中で面会のたびに育児権を放棄してほしいと迫られていた。
そんな時に女警部パオラ(グルタ・スカラーノ)から、街中に蔓延する合法ドラッグを根絶するために協力してほしいと頼まれる。そこに、ドラッグをやめられず交通事故を起こして逮捕されたアルベルト(ステファノ・フレージ)も加わり、その話に飛び付く。
条件は「30以上の合法ドラッグを見つけて分析してほしい。そのかわり無罪放免」ということだった。自分たち2人ではできないから仲間を集めにいきたいと昔の仲間のいる外国にまで行ってグループを結成するが……。
前作に続いて素人ギャングたちがまたもや登場。だが、今度は悪事とは違う。合法ドラッグを見つけて分析して、その薬品を警察が「非合法」にして合法ドラッグを作れなくしようと躍起になっていて、彼らの力を借りに来たのだ。
前作から比べるとスケールが大きくなっていて、これだけでも楽しめる作品になっている。特に列車シーンはCGなし、スタントマンなしで撮影が行われたと聞いたが、ハラハラドキドキさせてもらった。
☆ミッキーは今年のイタリア映画祭で3番目の最終章を観ているが、監督さんはこの2と最終章をいっぺんに作った。この2つの話がうまく交差しているので、今月公開のはよーく観ておいていただきたい。来年あたりにきっと最終章が公開されて楽しませてくれるはずだ。1作品ごとに面白さが倍増してくる。
今年の映画祭で監督が来日したが、超満員だった。司会者や観客から「4作品目を是非」というオファーに、ニコニコ顏ではあったが絶対に首を立てに振らなかった。