1973年。石油王として名高い実業家で世界一のお金持ちジャン・ポール・ゲティ(クリストファー・プラマー)の17歳の孫ポールが誘拐された。1700万ドル(50億円)という巨額の身代金を要求される。
しかし、大富豪の彼は身代金の支払いを拒否。理由は身代金を払えば他の孫たちも誘拐されるというものだった。
ポールの母ゲイル(ミシェル・ウィリアムズ)は、息子のために義父ゲティと対立しながら、誘拐犯と電話で(警察の盗聴協力のもとで)接触、解決の糸口を見つけようとしたが……。
この事件はミッキーも若い時にリアルタイムで知っている。世界一のお金持ちのお孫さんは常から不真面目だったので自作自演と思われていたらしい。
妻のゲイルは当時ゲッティの息子とは離婚していて、ゲティ付きの警護をする元CIAの交渉人フレッチャー・チェイス(マーク・ウォールバーグ)が相談に乗っていた。
ゲティはお金には細かく、最終的には税制に引っかからないとか、贈与の範囲内で、という計算で分割で支払う交渉もさせている。一番びっくりしたのは大屋敷の庭に公衆電話を設置して自宅の電話を使わせなかったという話だ。
ゲティ役はケビン・スペイシーだったが、例のスキャンダルで彼の部分だけ撮り直しをしてクリストファー・プラマーさんになったが、実物のお写真を見ると彼に演って欲しい気持ちになった。
5月のイタリア映画祭で観た『シチリアン・ゴースト・ストーリー』も誘拐物でマフィアが怖いので村民は皆見て見ぬふりをしていた。このゲティの孫もローマで誘拐され解放された時にどの家も扉を開けてくれなかった場面があった。