2002年、冬季オリンピック予選の最終戦。女子モーグル北米3位のモリー・ブルーム(ジェシカ・チャステイン)は、五輪出場を目前にしていたが、競技中の怪我でモーグルから退くことになった。
その後、回復したモリーはロサンゼルスで1年間の休暇を取っていたが、バイト先のボスからポーカー・ゲームのアシスタントを頼まれる。
そこは、ハリウッドスターのプレイヤーX(マイケル・セラ)、映画監督、ラッパー、ボクサーなど大金持ちの有名人ばかりが集まる場所で、無給だったがチップがものすごくあって最高レベルの人々との交流に生き生きと働くモリーだったが、数年後、突然クビになってしまう。
だが、仕事の内容をしっかり覚えたモリーは豪華ホテルの一室に自ら経営する「モリーズ・ルーム」をオープンさせたが……。
数奇な運命をたどった実在の女性モリー・ブルームの半生を『女神の見えざる手』『ユダヤ人を救った動物園〜アントニーナが愛した命〜』のジェシカ・チャステインが演じる。
監督のアーロン・ソーキンさんは『ソーシャル・ネットワーク』『マネーボール』などの脚本家で、この作品が初監督作品。
少女時代からモーグルの訓練のために父親から「支配」され、事故でモーグルから離れてからは金儲けのポーカーゲーム男社会の支配下だったが、彼女自身は気づきもせずに、翻弄される姿が痛々しい。
男の嫉妬が彼女を窮地に追い込むが、そこからが本当のモリーの底力が発揮されて胸が救った思いがした。
140分は希有な彼女の半生には必要な時間だと感じた。