大画面の劇場で3D鑑賞すれば楽しさも倍増するスピルバーグ監督の最新エンターテ イメント大作。『レディ・プレイヤー1 3D版』 イオンシネマ名古屋茶屋 スクリーン10(最大客席数376席) ウルティラ REAL D 3D 導入シアター にて鑑賞。
2018年にスティーブン・スピルバーグ監督が送り出した3D作品は『タンタンの 冒険 ユニコーン号の秘密』に続く3D作品。2作目だが実写作品としては初となった。
2045年、テクノロジーは発展を遂げたが荒廃してしまった地球が舞台。仮想空間 「オアシス」の創造者ハリデーが急逝し、その莫大な遺産が彼の創造した仮想空間VR の世界に隠された。
3つの隠された鍵を手にするため、世界中の人々がプレイヤーとなり、VRゴーグルを 装着して『オアシス』の世界で謎解きを繰り広げる。
主人公は悲劇的な家庭環境もあり、現実世界では目的を見出せずくすぶっている少年 ウェイド。「オアシス」がパーシヴァルという姿で自分を表現できる場だった。 その中で築いた仲間たちとの出会いが彼の人生を目的のあるものに変えてゆく。 近未来を舞台にしたスピルバーグ監督が得意とする少年、少女たちの冒険譚だ。
本作の上映時間は2時間20分。3D作品は良質な映像を製作しても、これだけの時 間、鑑賞し続けると3D映像に目が馴れてしまい上映後半まで効果が持続しないもの。
「レディ・プレイヤー1」は3D作品として優れていると感じる。 特に表現方法。仮想空間「オアシス」でのエピソードを徹底した3Dで表現している。 対称に現実世界では控えめな3D表現になっている。
作品は現実世界とVR世界を交互に描くため、これにより視覚的にメリハリを効かせ、 3D描写の効果が最後まで持続している。
さらに本作を撮影した名カメラマンのヤヌス・カミンスキーは現実世界のシーンにの みフィルム的な質感の映像を採用して、仮想空間『オアシス』の差異を強調した。
分かりやすいストーリーも3D作品映像に没入できるため最適だ。
「1つ目のカギ」難攻不落のコース。カーレースでゴールを目指せ! 1つ目のカギを手に入れるカーレースのシーン。ゴール前に立ちはばかるキングコングがいるため、誰もがゴールできない仕様になっている。どのように攻略するのか? そのレースシーンは視覚的に物凄く派手なのに音楽がさほど使わず効果音を駆使し、テレビゲーム的な演出がされているように感じた。
レースには参加者としてまたはコースの障害物として、世界的に有名なキャラクターが画面いっぱいに登場する。1回の鑑賞ではすべてを把握するのは困難なほど。世界中の人々が「オアシス」に夢中になるのがよくわかる導入シーンだ。
「2目のカギ」作者が嫌う作品の中に飛び込め! このミッションの冒頭、主人公とヒロインによるクラブでのダンスシーンは3D効果がとても効果的。 CG表現を駆使して縦横無尽に空間を描写、主人公たちを下から捕らえたショットなど目まぐるしく3Dで描がかれる。ネオン色に彩られた空間表現がステキだ。 そこに70年代の大ヒットダンスムービー「サタデーナイトフィーバー」内の曲「ステイン・アライヴ」がかかる。作品やジョン・トラボルタ好きには往年の名シーンがふっと頭をよぎる。
そのあとに彼らは「オアシス」からスタンリー・キューブリック監督作品「シャイニ ング」の世界へ飛び込んでゆく。まさかあの「シャイニング」の印象的なシーンが3D で表現され、2018年のシネコンの大画面に現れるなんて!この場面は夢中で堪能し てしまった。70年代、80年代の作品を効果的に抽出した2つめのカギを手に入れるまでのエピ ソードは両作品が好きなのでたまらなかった。
「3つ目最後のカギ」レトロゲームに隠されたイスターエッグを探せ! 物語はクライマックスへ「オアシス」に隠された遺産をめぐり「メカゴジラVSガン ダム」夢の対決や、「アイアン・ジャイアント」の大活躍に「チャイルド・プレイ」の チャッキーが3D飛び出す!激戦の中、主人公を乗せた「バック・トゥ・ザ・フューチ ャー」のタイムマシン デロリアンが疾走する。スピルバーグ監督だからこそ成立した夢ようなシーンが次々と展開する。
最後には「オアシス」創造者ハリデーの思いが主人公たちに引き継がれる。テレビゲームに没頭した彼の孤独な少年時代、80年代、90年代初頭のころ。テレビゲームにはネット環境はなく、ゲーム仲間は現実でみつけるしかなかった。シンプルなゲームを繰り返し遊んだり、RPGなどは物語も本筋とは関係のないやり込み要素などに時間を忘れ夢中になったエピソード。
自分も当時はテレビゲームが大好きで1本のゲームを何十時間も遊んだ。これだけの時間プレイしていると、ゲームプレイやめてしまうときの寂しさはなかなのもの。80年、90年代にプレイしていた名作ゲームたちの面白さを思い出した。そんな思い出がリンクしてしまい、VRゴーグル越しに涙する主人公ウェイドと劇場で3Dメガネをかけたまま感動している自身が最後にはいた。
「レディ・プレイヤー1」は未来のVR世界を描きながらも観た人によっては懐かしい記憶を思い起こさせるステキなおもちゃ箱のような作品であった。
☆伊藤新吾さんの3D体験記もお読みください http://mikki-eigazanmai.seesaa.net/article/457548301.html
シンプルなゲームを繰り返し遊んだり、RPGなどは物語も本筋とは関係のないやり込
み要素などに時間を忘れ夢中になったエピソード。
自分も当時はテレビゲームが大好きで1本のゲームを何十時間も遊んだ。
これだけの時間プレイしていると、ゲームプレイやめてしまうときの寂しさはなかなの
もの。80年、90年代にプレイしていた名作ゲームたちの面白さを思い出した。
そんな思い出がリンクしてしまい、VRゴーグル越しに涙する主人公ウェイドと劇場
で3Dメガネをかけたまま感動している自身が最後にはいた。
「レディ・プレイヤー1」は未来のVR世界を描きながらも観た人によっては懐かし
い記憶を思い起こさせるステキなおもちゃ箱のような作品であった。