移民と異文化が混沌とするローマ郊外に住むフォルトゥナータ(ジャスミン・トリンカ)は、夫ブランコ(エドアルド・ペッシェ)から心身共に痛めつけられていたが、やっと離婚に応じてもらえるようになった。彼女も親友のチカーノ(アレッサンドロ・ボルギ)と共同で美容院サロンの経営も着々と進められていた。
そんな時、8歳の娘が問題行動を起こし精神カウンセラーを受けることになった。娘は親身になって話を聞いてくれる担当のパトリツィオ先生(ステファノ・アッコルシ)が気に入って通うようになるが……。
ジャスミン・トリンカさん来日。明るく気さくな女優さんだった。しかし映画はミッキー好みではなくて、ストーリーは盛りだくさんでまとまりなし、演技も過剰気味(イタリア風 ? )
ミッキーの気に入りの男優さんのステファノ・アッコルシも初めてこそ知性的なのだが、あとからが生々しくなってげんなり。
こんな過剰ぶりでも心に何ものこらないとは、有名俳優さんを使いながらも残念としか言いようがない。
🎬『世情』ジャンニ・アメリオ監督/103分/今冬公開予定
ほぼ引退状態の老弁護士ロレンツォ(レナート・カルペンティエーリ)はナポリ中心街の広いマンションに一人で暮らしている。彼の過去の浮気のために妻は亡くなり、娘、息子は成人しているが寄り付きもしない。
そんなロレンツォは心筋梗塞で入院したが大事に至らず退院して来たら、屋上の庭続きのお隣さんが越して来ていた。
そこは元々はロレンツォの所有だったが売ってしまった離れ屋で、ちょうど買い主の奥さんミケーラ(ミカエラ・ラマッツォッティ)が鍵を持って出なかったので困っているところに出会い「うちの裏庭を通ればいいですよ。お宅の裏口の鍵もお渡しましょう」と助けてあげた。
それが縁でミケーラの夫ファビオ(エリオ・ジェルマーノ)や子供たちと家族のような付き合いが始まる。
さずが『家の鍵』のジャンニ・アメリオ監督さん。孤独な老人を中心に、ナポリに越してきて土地に慣れない若夫婦、自分の息子、娘、そして孫、人生に悔いを残した浮気相手、等々を的確な距離感を持って描かれていた。
若夫婦の夫が神経衰弱になっていて、老弁護士をまるで父親のようにいろんな悩みを打ち明けるシーンはとても吟味された脚本だった。同じ国でも違う土地で暮らすストレス(特にナポリはその度合いが高いのだろうか)がミッキーにはよく理解できた。
公開が予定されている作品なので詳しくは書かないが、期待して待っていてほしい。