ソウルのタクシー運転手マンソプ(ソン・ガンホ)は幼い娘と2人暮らし。家賃がたまって困っているところに、ドイツ人記者ピーター(トーマス・クレッチマン)から「通行禁止になるまでに光州へ行ったら10万ウォン払う」と言われ、片言の英語で「ドント ウォーリー アイム ベスト ドライバー」と光州に向かう。
当時、韓国ではマスコミの情報が統制されていて光州事件の実態は闇の中で、その実態を全世界に発信したい一心のピーターは、道中にあるいくつかの検問で、マンソプの機転に助けられて何とか光州にたどり着いた。
そこは銃声が鳴り響いて悲惨な状況の中、物陰に身を隠し真実を撮り続けるピーター、「無事にソウルに連れて帰るぞ」と使命感に燃えるマンソプ、通訳をしてくれた夢多き大学生(リュ・ジュンヨル)、裏道を教えてくれた光州のタクシー運転手(ユ・ヘジン)たちの男気に助けられるが……。
ミッキーは韓国新作がいち早く上映されるシネマート心斎橋やシネマート新宿に出かけるほど韓国映画好き。若手のイケメン俳優なら見ているだけで満足。ベテラン俳優さんならキムチの隠し味のような豊熟さと人間味にはまっている。
その中でも円熟期を迎えた名優ソン・ガンホが主演だから、早くアップしたくて待ち切れなかった。
この作品は韓国の民主化の出発点である「光州事件」を改めて記憶に留めると共に、普通の人々の勇気ある行動も観ていただきたい。
☆光州事件とは1980年5月から27日にかけて光州市を中心として起きた民衆の反政府蜂起。参加者は20万人以上で実権を握る軍が市民を暴徒とみなし発砲した。死者は154人、行方不明者70人、負傷者1628人に上る。
☆同じく光州事件を扱った作品に2008年公開のキム・ジフン監督でアン・ソンギ、イ・ジュンギ出演『光州5・18』がある。
☆ほぼ同じ時代に『殺人の追憶』という映画にもなった韓国未解決事件ファソン連続殺人事件が起きている。この映画の主演もソン・ガンホさん。