大学を卒業したトーマス(カラム・ターナー)は両親(ピアース・ブロスナン、シンシア・ニクソン)の住む高級住宅地を出て、下町に古いアパートを借りて独立した。
古本屋の店員ミミ(カーシー・クレモンズ)とは友だち以上恋人未満の関係だ。
実家の母親はうつ病でトーマスの来る日を楽しみにしている。帰るとパーティーを開いて歓待してくれるが、集まった人から「仕事は決まったか」「就職活動はしているのか」と心配される始末。
そんな時、彼のアパートに老人(ジェフ・ブリッジス)が入居してきた。不思議と気が合い、人生を生き抜くアドバイスなども素直に聞くことができた。
ある日、偶然にも真面目で母親を愛してやまない父親が、若い女性・ジョハンナ(ケイト・ベッキンセール)と一緒にいるのを目撃してしまう。
『(500)日のサマー』『giftedギフテッド』そして『アメイジング・スパイダーマン』のマーク・ウェブ監督。
その監督さんが『(500)日のサマー』より早くアラン・ロープさんの脚本を読んでからというもの、映画化したいとずっと思い続けてきた作品が『さよなら、僕のマンハッタン』。
とにかく主演のカラム・ターナーが少年のような雰囲気があって、困ったりはにかんだりする表情がとても良かった。この若い俳優さんとジェフ・ブリッジス演じるお爺さんの味のある演技、台詞が秀逸だった。
マンハッタンの家並み、商店がいったことがないのに懐かしく感じたのが不思議な体験だった。
これは、1日のんびり食事やお茶を飲んでから、ゆっくり観て、終わってからも慌てる用事のない時に観る……そんな映画だ。
☆カラム・ターナーさんはモデル出身の方で、『グリーンルーム』(最初に殺されてしまう役だったかな?)やネット配信の映画『浮き草たち』に主演している。これはどうやって観るのかがわからないので悔しいが、今年11月に公開する『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』にも出演する。