ニューヨークの保険会社に10年間勤めてきた男・マイケル(リーアム・ニーソン)は60歳でリストラの憂き目にあった。住宅ローンと息子の学費とお金がいることばっかりなのに先行きの不安を抱えて、グランドセントラル駅からいつもの通勤電車で帰路についていた。
ところが、彼の席の前にいた見知らぬ女性(ヴェラ・ファーミガ)から「乗客の中から、重要な荷物を持った人物を捜して欲しい、探してくれたら10万ドル、お礼するわ」と告げられる。
日頃、危ない話には乗らないマイケルだったが、元警官だったことや先行き不安な時の10万ドルに目がくらみ引き受けてしまう。
定年間近で保険会社をリストラされた男が、始発駅(グランドセントラル駅)から終着駅(コールド・スプリング駅)まで105分間の通勤電車の中で、危険な罠に巻き込まれるサスペンス・アクション。
ミッキーは映画のスクリーンに列車が出てきたり、アパート群が出てきたりするとポイントが上がる。列車にはいっぱいの喜怒哀楽を乗せていて、その一人ひとりが映画になると思うし、アパート群の一軒一軒のつつましい明かりを見るときっといろんな人生が詰まっているんだなぁとしみじみしてくる。
この映画は列車内部のことだが、10年間いつも乗っていたのでほとんど顔見知りばかり。だから見慣れないお顔の人が全部怪しくなるわけだ。
いくら元・警官でも特定するのは無理だとマイケルはあきらめかけた時、妻と息子が人質に取られたことを知る。
まあ、ここからが面白い。60歳でこのアクションや工夫は「元・警官」だから現実的にギリギリ許せる動きだ。
2月に公開された『ザ・シークレットマン』ではウォーターゲート事件の内部告発者マーク・フェルトFBI副長官を演じたリーアム・ニーソン、思慮深い役柄から一転して今作では体を張ってやっている。
☆いただいた資料には駅、列車、車窓からの眺めなど工夫とご苦労も書かれていた。是非、映画パンフレットもお買い上げいただきたい。