2015年8月21日。オランダ・アムステルダム発、フランス・パリ行きの高速鉄道タリス列車には554人の乗客が乗っていた。その列車にはイスラム過激派の武装した男が無差別テロを企て、自動小銃を発砲した。
その列車に偶然乗り合わせていた旅行中の米空軍兵のスペンサー・ストーン、オレゴン州兵のアレク・スカラトス、彼らの友人で大学生アンドニー・サドラーの幼なじみ3人が、犯人に立ち向かう。
クリント・イーストウッド監督はこのところずっと実話物を基に映画を作っている。『アメリカン・スナイパー』『ジャージ・ボーイズ』『ハドソン川の奇跡』そしてこの新作も「タリス銃乱射事件」を基にしている。
3人の勇敢な若者は故郷カルフォルニアの幼なじみで、幼い時の様子や家庭の事情、学校での出来事が映し出されていて、青年に成長してからは3人がそれぞれ本人役として登場している。
これは観終わってから知ったことだったが、言われなければ新人を3人見つけて…と思うぐらい違和感がなかった。一度経験したことをもう一度演じるという経験は誰しも経験できないが、イーストウッド監督の手にかかれば、するすると感動作品になって観ている者を熱くさせてくれる。