🎬『ナチュラルウーマン』セバスティアン・レリオ監督/チリ、アメリカ、ドイツ、スペイン/104分/ 2月24日よりシネスイッチ銀座他にて全国ロードショー公開
ウェイトレスをしながらナイトクラブで歌っているトランスジェンダーのシンガー・マリーナ(ダニエラ・ベガ)は、チリのサンティアゴで年齢差のある初老の恋人オルランド(フランシスコ・レジェス)と素敵なマンションで暮らしていた。
その日はマリーナの誕生日で、豪華なレストランで祝ってから、家に戻ると急にオルランドの具合が悪くなってそのまま他界する。彼が亡くなったことでマリーナは「予想外」のトラブルに見まわれて…。
監督さんの前作は『グロリアの青春』。この評はいつも感想を寄せてくれる「ねんねこさん」に丸投げしてしまったミッキー。2014年の2月7日のミッキーのブログに書いてもらった。さっき、そのブログを読んでみたが、今さらながらよく書けていると思う。
そして、この新作。主役の女優自身もトランスジェンダーの方。初老の彼と若い女性の組み合わせはあまたあるが、若い女性がトランスジェンダーということで、警察はもちろんのこと、急死した男の家族から屈辱を受ける。
一番傷ついたのは葬儀に出てほしくないと言われたこと。これを不条理だ、と思うか、家族にとってそれは仕方ないと思うかそれぞれだが、ミッキーは仕方ないと思った。
最後のシーンは彼女が正式に音楽大学で勉強するために、ヘンデル作曲オペラ「セルセ」のアリア「オンブラ・マイ・フー」を歌う。その声にはビブラートがほとんどない中性的な響きがあった。ヘンデルが求めていた声に近いのではと感じた。