🎬『あなたの旅立ち、綴ります』マーク・ペリントン監督/アメリカ/108分/2月24日より新宿ピカデリー他にて全国ロードショー公開
ビジネスに成功してお金持ちの老婦人ハリエット(シャーリー・マクレーン)は、なに不自由なく豪勢な暮らしをしていた。80歳になってから孤独感を覚えていたが、そんな弱みは周りに気付かさず思い通りの毎日を送っていた。
ある日、目についた新聞記事の「訃報」欄に、自分の訃報はどんなことを書かれるのだろう。今から書いてもらおうと新聞社に電話して訃報記者に来てもらった。
来たのは自分の孫世代のアン(アマンダ・セイフライド)で、しぶしぶ上司の命令で来た彼女はハリエットの傲慢態度にも臆せず、初対面から態度もでかく……。
口をへの字に曲げて世の中を渡ってきた老婦人と駆け出し訃報記事専門の若い女性。そんな役柄にぴったりのシャーリ・マクレーンとアマンダ・セイフライド。この2人にチャーミングな少女・ブレンダ(アンジュエル・リー)が加わって話はどんどんふくらんでいく。
始まりのシーンは家の細かい仕事にも手や口を出すハリエットの姿が映し出される。庭師に「上から下にハサミを入れたらダメ、こうして下から切っていくの、ハサミを貸して…こうやるのよ」と手を出して、台所では料理にも文句をつけている。
そんなハリエットが何の気の迷いか「訃報記事」に関心を持つのだ。周りを調べてもらうとだれも「好いことは言わない」。
どのひとの訃報記事も・家族や友人から愛されていた ・仕事上で尊敬されていた ・だれかの人生に影響を与えた ・皆の記憶に残っている……そんな条件が揃っていた。彼女は「今からでも、遅くはない」と行動を開始する。
これもお金持ちだからできるんだよな、と思わないではないが、シャーリー・マクレーンさんの何事にも動じない精神力と言葉の巧みさと経済力で邁進する姿を見ていると、歳を取っても「生き直せる」チャンスがあることに気付かせてくれた。