オスマン帝国の村・シルーン出身のアルメニア人青年ミカエル(オスカー・アイザック)は、故郷の裕福な家の娘と婚約をして、その援助を受けて首都・コンスタンチノープルの医学大学に入学する。
大学生活は順調だったが、寄宿する親戚の屋敷で娘たちの家庭教師をつとめるフランス帰りのアルメニア人・アナ(シャルロット・ル・ボン)と親しくなる。だが。彼女にはアメリカ人ジャーナリストのクリス(クリスチャン・ベイル)と付き合っていた。
第1次世界大戦が勃発すると、アルメニア人に対する弾圧が強まって来て……。
監督さんは1994年にルワンダで起きた大虐殺、フツ族がツチ族を120万人以上殺害したという忌まわしい歴史を基に『ホテル・ルワンダ』を製作した方。今作は、オスマン帝国が多くのアルメニア人を虐殺した事件を軸に3人の男女の姿を描いている。
アルメニア人虐殺はアトム・エゴヤン監督の『アララトの聖母』、ファティ・アキン監督の『消えた声が、その名を呼ぶ』でナチス以前に大虐殺がこの地にあったことを知っていた。
約100年前に出来事だがトルコ側は今も「虐殺」とは認めていない。悲惨な歴史を知る上で是非ご覧いただきたい。
☆アナ役のシャルロット・ル・ボンさんの野山を逃亡中のマスカラ、手の美しさにガッくり。出番は少ないが、故郷の婚約者マラルの清らかな美しさに軍配。