東京で立て続けに変死事件が起こった。現場には決まって黒いスーツを着た男の姿があった。その男は宇相吹正(松坂桃李)といい、「電話ボックスの男」とSNSで話題になっていた。
人気のない場所にある電話ボックスに殺人の依頼を貼るだけで必ず遂行されると噂になっていて、実際に書かれた人は100パーセントの確率で事故や自殺や病気によって命を落としていた。
恐怖映画監督の白石晃士監督が人気・サスペンスコミックを映画化。白石監督作品は名古屋駅西口・シネマスコーレでよく上映されるのでほとんどの作品は観ているので、初日初回に行った。1日は木曜だったが半数の入りだった。
殺人の条件には「純粋な気持ちで死を望む」事が必須。で、なかったら頼んだ人も殺すぞ……というもの。
誰が聞いても「そんな事されているなら殺してくれと願うのは当然だ」と納得する条件が必須なのに、話はそうならないもどかしさがあった。人間って案外簡単に「殺してほしい」という気持ちになるもんだと驚いた。
優しいお兄さんタイプの松坂桃李はとっても良かった。心操る殺人者で、悪以上の「悪魔」を見せてくれたし、ボソッとした声で話す言葉も「重く怖く」出ていた。
一方、女刑事の沢尻エリカは刑事役がイマイチ板についていなかった。一生懸命さが観ていて痛々しかった。
一番印象に残ったシーンは、誤解されて殺されてしまった町内会長の小林稔侍さんのところ。さすがにインパクトがあった。