勉強嫌いのヴィクトール(ジャン=スタン・デュ・パック)12歳は、クラスの優等生マリー(アリックス・ヴァイヨ)が気になって仕方ない。口も聞いたことがないが、ある時、マリーの方から話しかけてきた。
テストで困っていたら勉強を教えてあげるといってくれて有頂天になったヴィクトール。大きな門扉のある豪邸に住まうマリーに驚くが、おかげで勉強がわかるようになった。勉強の合間にチェロを奏でてくれるマリーを見て一層好きになってしまう。
そんなある日、ある出来事でマリーの目がほとんど見えていないことがわかって……。
かわいい恋の物語。マリーの家庭もヴィクトールの家庭も現実的に描かれていた。特にヴィクトールの父子の会話にはほだされた。
マリーの音楽学校に行くためにヴィクトールを「目」として、という策略があったとしても、幼くても女特有の感で「ヴィクトール君なら私を守ってくれる」と見抜いていたのだろう。
☆チェロを弾いたアリックス・ヴァイヨさんはフランスでは有名なバイオリン奏者で、チェロを特訓して演奏したと書いてあったが、同じ弦楽器でも演奏形態は違うので、すごい努力をしたのだろう。美しい音色を出していた。
🎬『嘘八百』武正晴監督
鑑識眼は確かだが、骨董の掘り出し物にはなかなか出会えない古物商の則夫(中井貴一)は、娘のいまり(森川葵)を連れて、千利休の生地・堺市に来た。ラジオの占い番組で良い方向の先にあった「お蔵つきのお屋敷」を訪ねると、主人の佐輔(佐々木蔵之介)が、この蔵を商売に使いたいから一切合財百万円で買ってくれと話はすんなりと進んだが……。
ミッキーの若い頃に「永仁の壺」事件があったのを思い出した。偉い鑑定士も文化庁のお偉いさんも騙されたという事件だった。 本物なら海外に流出を防ぐために急いで重要文化財に指定したという話もこの映画とリンクする。
偉い鑑定士が「本物」と言えば、それは「本物」。それを上手く利用して大金をせしめるが……。曲者揃いの役者さんの頑張りぶりが面白かった。