そんなねんねこと違い寒くて震えている皆さんに、今年も心から温かくなれそうな映画をご紹介させてください。今回は ゙旧き佳きアメリカ映画″を。
戦時中から現在に至るまで ゙いろんなもの″を我が国土に落っことしてくれる困ったアメリカさんですが、往年の映画に関しては本当に良いものをいっぱい生み出しています。
さて、゙旧き″とは言っても今回選んだのは、1930年代40年代の今や ゙クラシック″と喚ばれているほど昔のものではなく、ねんねこが映画を観始めた1980年にはまだ「少し前の映画」だったくらいのものの中から、いろいろ取り揃えてみました。もう全部カラー作品です。
まずは、『ファール・プレイ』('78.コリン・ヒギンズ監督作品)です。
アメリカの誇る目玉のコメディエンヌ、ゴールディ・ホーン扮する主人公がヒッチハイカーをクルマに乗せたことがキッカケとなる、ヒッチコック風捲き込まれ型のサスペンスコメディです。刑事役チェビー・チェイスとのラブロマンスもいいですが、なんといっても見物(ミモノ)は『ロッキー』のコーチ=ミッキー役でお馴染みバージェス・メレディス爺さんの張り切りアクションシーン!さらに ゙小男なのにモテ男″なのが羨ましい=ダドリー・ムーアの怪演。その可笑しさったらありません!
映画の中で上演される日本的なオペラは『ミカド』です。オペラというよりオペレッタなのかな?
クライマックスに向けて爆走するタクシーの後部座席にいる日本人老夫婦にも御注目!失礼ながら端役なのに、このシーンでは完全に主演の二人を喰っちゃってます。 …考えてみると、この老夫婦こそ(ほんの一時的ながら)捲き込まれちゃった人だよなぁ…
続いては、『オー!ゴッド』('77.カール・ライナー監督作品)という作品です。
シンガーソングライターとして知られるジョン・デンバーさん演じる主人公=スーパーの売り場主任ジェリーが、ある日 ゙神様″から呼び出されます。現代のモーセ(メッセンジャー)に選ばれてしまったジェリーは、神の存在を世に知らしめねばならなくなり奮闘努力しますが、当然人々には笑われ気味悪がられ、奥さんは心配する、子供たちにも疎まれる、仕事面にまで支障が出てきます。テレビの取材も来たりして、『オー!ゴッド』だけに「大事」になります…。
それにしても、特に信心深いわけでもなく、これといって取り柄もなさそうな極めて平均的な安部礼司みたいな一介のスーパー主任のジェリーが何故神様に選ばれたのか?それが観進めていくうちになんだか判ってくるんですよね。
゙神様″(の仮の姿)を演じるのは、『サンシャイン・ボーイズ』('75)で、アカデミー賞助演男優賞の最年長受賞者(当時)となったジョージ・バーンズさん。
監督のカール・ライナー氏は、俳優としても『オーシャンズ11』シリーズなど多くの映画に出演されてますが、それよりも『スタンド・バイ・ミー』('86)『恋人たちの予感』('89)『ミザリー』('90)などを撮ったロブ・ライナー監督の「お父さん」といった方が人物紹介としてはわかりやすいでしょうね。
尚、この映画には『オー!ゴッド2/子供はこわい』('80)、『オー!ゴッド3/悪魔はこわい』('84)という続編があるようで、監督はそれぞれ異なりますが、いずれもジョージ・バーンズさんが続投主演されています。この続編の存在、ねんねこは最近まで知りませんでした。日本でも劇場公開はされたのかな?
主演のジョン・デンバーさんは1997年10月12日、飛行機事故により残念ながら53歳の若さで他界されました。このニュースを聞いた時は、本当に悲しかったですね。
天国で神様に再会できたかなぁ…
【後編】も お楽しみに!