1964年のパリ。アメリカ人の青年作家ジェイムズ・ロード(アーミー・ハマー)は、芸術家アルベルト・ジャコメッティ(ジェフリー・ラッシュ)から肖像画のモデルを依頼される。
すぐに承諾したロードだったが、1日で終わるはずの制作はジャコメッティの苦悩によって思いがけなく長期になる。だがロードはジャコメッティの意外な素顔を垣間見ることになる。
今朝、いつも行く喫茶店で、不意にテレビからジャコメッテイの名前が聞こえて、画面を見ると、豊田市の美術館で彼の展覧会が開かれているという案内だった。持っていたiPadで調べてみたら、24日までとなっていたので、もう少し早く知っていれば行けたのに……。
20日の今日上京して23日にシドニーで年末年始を過ごすのでジャコメッテイの映画を観てから展覧会に行けたらどんなにジャコメッテイやロードを身近に感じることができたかと残念だった。テレビも見ないし(喫茶店で聞くだけ)新聞も取っていないから仕方ない。
ジャコメッテイは気分屋ではあるが人間的に信用できる人と思った。自分の感情の起伏で他人に嫌な感じを与えないように自制しているようにも見えた。家も画廊も一緒くたになったような住まいで、周りの街の雰囲気は下町のように感じた。
きっと、優しくて見栄を張らない「いい人」だ。
方や、描かれる方のロード演じるアーミー・ハマーは美しい男優だ。口元がいい。男からも女からもきっと唇を狙われてそうな気がする。名画家ジャコメッテイもモデルの俳優も実際の彼らのような錯覚をしてしまった。