2017年12月18日

『謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス 』東京公開中 (12月23日より名古屋栄・名演小劇場)

今日、試写で釜山映画祭でキム・ジソク賞を受賞した吉田大八監督『羊の木』を観た。

とある小さな港町・魚深市の役所に勤める月末一(錦戸亮)は、上司の命令で、刑務所から出てきた6人の男女を内密にお世話するようになる。という驚愕設定の面白さと俳優さんたちの個性が際立っている作品。

昨日の『8年越しの花嫁』の北村一輝さんや、舞踏家の田中泯さんが身体を張った演技で楽しませてくれた。

女優さんでは市川実日子演じる寡黙な清掃員が良かった。彼女がゴミの中から見つけた皿の絵が「ヒエロニムス・ボス」の絵とリンクするように見えて驚いた。


🎬『謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス 』 ホセ・ルイス・ロペス=リナレス監督/スペイン、フランス/90分

謎の多い画家・ヒエロニムス・ボス(1450〜1516年と思われる) の描いた難解な絵画を細かく解説しながら、彼の内面に迫るドキュメンタリー。

ブリューゲル、ルーベンス、ダリ、マグリットに多大な影響を与えた謎多き画家ヒエロニムス・ボスはレオナルド・ダ・ヴィンチとほぼ同じ時代の人で、ヨーロッパの王侯貴族から依頼されて数多くの作品を描いたが、16世紀の宗教改革で偶像破壊のためにほとんど紛失してしまう。

現存する作品は約30作品と少ないが、熱心なカトリック信者で宗教画を多く描いた。

圧巻は「快楽の園」。

大きな三面鏡のようになっていて、中央が快楽、右が地獄、左がエデンの園が描かれているが、説明されて見ていくと、細かい描写が多く、一つひとつに皮肉や比喩があった。

非常に奇異な動物がいたり、異様な行動をする人間たちがいたりと何時間見ていても飽きることはない大作だった。


posted by ミッキー at 21:13| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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