中国東北の山間部の寒村のシャーマンたちの生活をドキュメントしている。
監督さんは『最後の木こりたち』『独り者の山』でフィルメックスの常連さん。新作を含めてすべて監督の故郷近くの山間部で撮られたもの。
この作品は監督さんが10年の歳月をかけてカメラを回したもので、シュウさんの生活や周りの村人、邪気払いの様子など愛情を持って描かれていた。
医療施設が無かったり、あっても高額な治療費などで山深い村では未だにシャーマンに病気を治してもらい、悩みを聞いてもらうなどけっこう流行っているようだ。
このドキュメンタリーの中心的存在の男シュウは学校の先生をしていたが薄給で辞めてしまい、工場会計係、雑貨屋を開いた後にシャーマンになった。しかし、彼は評判がよく他のシャーマンの嫉妬をかうほどだ。
くだらない問いかけ「赤ん坊が急に泣き出して」などの相談から、重体の病までシャーマンというより気のいいおじさんタイプの方。
これは11月18日にアップしたイタリア、フランス映画『悪魔払い、聖なる儀式』のエクソシスト・カタルド神父さんもおじさんタイプだった。国は違うがリンクするところが多かった。
監督さんトークも林加奈子ディレクターの司会(司会進行が抜群にうまく、声が立つもいい)で行われたが、的確明瞭に答えていらっしゃった。
質問の中で、「文化大革命の時代のシャーマンの扱いはどうでしたか」には「思い出したくない時代だ。もちろん絶対禁止で、現在は見てみぬふりをしていてくれる」と語ってくれた。
監督さん次回作は劇映画で寒冷地で暮らす人々の世界が舞台と教えくれた。待ち遠しい。
☆今、東京で60年代チェコスロヴァキア映画祭」が渋谷のイメージフォーラムで開催されている。その中に一回のみ 『火葬人』 を上映する。今週土曜日25日 1時半からで、ここはインターネットでも予約はできないので当日お早めにチケットをお買い求めくださることをオススメする。
映画内容などは11月17日のブログをご覧いただきたい。もうすでに終わっていると勘違いしていた。すみません。