2017年11月03日

東京国際映画祭(8) 映画愛に満ち溢れたドキュメンタリー2作品『サッドヒルを掘り返せ』『ナッシングウッドの王子』

今読んでいる本は「秘められたベルリン使節 ヘディンのナチ・ドイツ日記」金子民雄著(中公文庫)。古本屋で300円で買ったものだが、とても興味深い内容で映画祭で目が疲れているのに、この本が気になって気になって困った。

スヴェン・ヘディン(1865〜1952)はスウェーデン生まれの有名な探検家。青年時代にベルリン大学に学び生涯をとおして親独家であった。1935〜10年間、ヘディン(70〜80歳)はナチス・ドイツと深く関わりがあった。

克明に日記を書いていてヒトラー(一対一で話している)をはじめヘス、ゲーリング、ゲッペルス、ヒムラー等々の交流があって私生活から政治色の強い事柄も記されている。

ついつい夢中に読み進めていて、昨日など仰向けに読みながら知らぬ間に寝ていて顔面にストンと落としてしまった。

🎬『サッドヒルを掘り返せ』ギレルモ・デ・オリベイラ監督/スペイン/90分/ワールド・フォーカス

マカロニ・ウェスタンの名作『続・夕陽のガンマン』(セルジオ・レオーネ監督/1966年)の有名なラストシーンの撮影地サッドヒルに、当時、映画撮影用に作られた墓がそのまま残っていた。

それを映画ファンが見つけ、草ぼうぼうで荒れ地となった「墓地」を有志たちがボランティアで掘り返し始めた。瞬く間にそのニュースが広まって週末にはサッドヒルを訪れる人が増えてきた。


世界的な映画ロケ地・探訪だ。始めて発見した人の話しは聞いていてご本人の興奮が伝わってきた。

それを聞いた音楽担当だったエンニオ・モリコーネさんや当時スタッフとして携わった方々が当時を振り返って語っている。

そして映画完成から50年を記念して、サッドヒルで記念行事を企画し、いよいよ当日……。

映画を愛する人たちの夢がいっぱい詰まったドキュメンタリーだった。

🎬『ナッシングウッドの王子』ソニア・クロンルンド監督/フランス、ドイツ/86分/ワールド・フォーカス

映画愛にあふれたドキュメンタリーをもうひとつ。アフガニスタンの監督・サリム・シャヒーン。この監督さんは30年以上にわたり戦火のアフガニスタンで110本の映画を撮り、そして地方をまわって上映している。

監督は完全にメタボおじさんだが、行動力、低予算での映画作りの才能、演説のうまさ、そして「女性に優しい」のがミッキーは気に入った。このドキュメンタリーを撮った若い女性ソニアさんにいろんな面で気を使っていて優しい言葉をかけていた。

しかし、映画を上映する野外、室内には一人も女性はいない。サリム監督の三階だての家にカメラが入っても「第一婦人も第二も娘たちも皆、留守だ」と言って撮らせなかった。

posted by ミッキー at 20:12| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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