1941年。父・前村純吉と母・ローサ・ウルタード=スアレスの5人兄弟の次男としてボリビアで生まれた日系二世・フレディ前村(オダギリジョー)。
医師になるためにキューバのハバナ大学に留学した彼はキューバ危機に直面する。
混乱の中でチェ・ゲバラ(ホワン・ミゲル・バレロ・アコスタ)と出会ったフレディは、その理念やカリスマ性に感銘を受ける。
やがてゲバラの部隊に加入した彼は、ゲバラのファーストネームの「エルネスト」を戦士名として本人から授けられる。そして、ボリビアの軍事政権を倒す戦いに身を投じる。
キューバ革命の英雄チェ・ゲバラと行動を共にした日系人のフレディ前村に焦点を当てた作品。
オダギリジョーさんの真剣な眼差しに打たれた。今までの彼の印象を覆すもので、きっと海外での撮影の困難、言語のスペイン語のマスターなどでご苦労が多かったと感じた。俳優オダギリジョーさんにとっても革命的な作品になると思う。
映画の冒頭は、1959年夏に外務省中南米課に日本を訪問中のチェ・ゲバラ(ホワン・ミゲル・バレロ・アコスタ)一行が急遽広島へ向かったという一報が入る。しかし、記者たちは興味を示さず、唯一地元の中国新聞社の森記者(永山絢斗)だけが取材に同行する。
ゲバラは原爆ドームや原爆資料館などを見て「日本の人たちは、アメリカにこんなひどいことをされて、なぜ怒らないのだ」というシーンだった。
この1シーンでミッキーの気持ちはわしづかみにされた。オダギリジョーさんのファンはもちろん必見だが、久しぶりの骨太・史実作品を是非ご覧いただきたい。
☆この作品の元はフレディの実姉マリー(作品完成を待たずに逝去された)とマリーの長男が書いた「革命の侍〜チェ・ゲバラの下で戦った日系2世フレディ前村の生涯」で、阪本監督はマリーさんのもとへ映画化の承諾などでお会いしたり、フレディ前村の幼友だちに取材するなどした。