🎬『トリュフォーの思春期』フランソワ・トリュフォー監督/フランス/1976年
フランス中部のティエール市は狭い坂道の多い町。男の子たちがわらわらとあちらからもこちらからも坂道を下る場面から始まる。
男先生は生徒が持っていた絵葉書を見て、「この絵葉書はね。フランスのど真ん中にある町だよ」と、とてもユニークな授業をしている。
一方の若い女先生は宿題の詩の朗読をひとりずつ暗唱させている。棒読みばかりしている男の子に腹を立てているが、急な転校生が来たことで中座すると、棒読み生徒はみんな前で詩的感情を出して喝采を受けていた。甘く見られている女先生。
学期の途中というのにジュリアンという子が転校してきた。生徒が住んでる地域を聞いて「あそこに家はないよ」という友だちにむかって憮然と「僕の家がある」と答えている。
涙が出るどころではない。家に帰ってからもジュリアンのこと、男先生の言葉、友だちのお母さんに恋をした男の子、町中の人が来ている映画館……思い出しては幸せな気分に浸った。もちろんジュリアンの事件は悲しいが、ひとつ一つの出来事が自然な形で解決していく映画手法がいい。
心を洗われる映画とはこういう作品をいうのだなと心底思った。トリュフォー監督さんはきっと子ども好きな方だったろうと感じた。
☆『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』も評価が高かったので観たが、喧嘩シーンばかりでミッキーには合わなかった。ただ 1 同様に林遣都くんが見られたのが嬉しかった。