東西の冷戦下の1960年代の初め。ソ連との宇宙開発競争で遅れを取っていたアメリカは、国家の威信をかけて有人宇宙飛行計画に乗り出していた。NASAラングレー研究所では優秀な計算能力を持つ黒人女性が集められて「計算手」として雇われていた。
そんな中でも最も活躍した3人の黒人女性がいた。子持ちのシングルマザー・キャサリン(タラジ・P・ヘンソン/『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』)を筆頭に、ドロシー(オクタビア・スペンサー/『アメイジング・ジャーニー 神の小屋より』)、メアリー(ジャネール・モネイ/『ムーンライト』)の3人だ。
彼女たちは差別や偏見と闘いながら、宇宙飛行士ジョン・グレンの地球周回軌道飛行を成功させるために活躍した。
高・知能集結、超・最新の技術集結の場所NASAで黒人に対しての差別がこんなに色濃くあったとは思いもよらなかった。まず、職場の棟も、食堂も、トイレも、図書館も、区別されている。
キャサリンはその中でもずば抜けた才能をかわれ、白人棟のNASA本部で仕事するが、けっこう遠い黒人棟までトイレに通う姿はミッキーもトイレに行きたくなるほど同情した。本部の部屋に備えてあるお湯やコーヒー、カップも使おうものなら即座に張り紙をされていた。
並みいる男性技術者が部屋いっぱいの大型コンピューター(初期のコンピューターがこんなに大きくてたくさんの機械に分けられていたとは ! )に格闘して起動させようと躍起になっているが、彼女の頭がコンピューター並みだが、触らせてもらえないので黒板にチョークで綿密な計算をする。
数度、打ち上げに失敗しているので後がないNASAは異例中の異例で彼女を会議に出席させ「ここのところの計算が誤差をうんでいる」と図を書いて指摘する。その頭脳に驚いた宇宙飛行士が名指しで「彼女に起動計算をしてほしい、そうじゃないなら乗らない」とまで言わせている。
最後に実在の方々が映されるが知性的な面立ちの老婦人たちだった。
☆素敵な上司ケビン・コスナー、始めこそ差別的な態度で嫌みな女を演じていたキルスティン・ダンストも女性「差別」との共闘心から徐々に3人と打ち解けていくのも見逃せない。
☆原題のHiddenは隠されたで、Figuresは日本でもよく使うフィギュアで姿。