『散歩する侵略者』『アメイジング・ジャーニー 神の小屋より』『ダンケルク』の順で観たが、最後の『ダンケルク』に圧倒され、家に帰り着いてドドッと疲れが出て夜まで寝てしまった。3作品とも良かったが、特にオススメは『ダンケルク』‼️
🎬『散歩する侵略者』黒沢清監督/ミッドランドスクエアシネマにて
数日間行方が分からなかった夫・加瀬真治(松田龍平)は突然帰って来た。だが、いままでの夫ではなくぼんやりしていて言葉の意味をいちいち聞いてくるので病院に連れていくが、医師は若年性のアルツハイマーの疑いもあるが何かのショックで一過性の健忘症だと思われるので様子を見ようと診断された。
妻・鳴海(長澤まさみ)は困り果てたが、イラストレーターの仕事が順調で、仕方なく「絶対、外にでないで」と言い聞かせて仕事を続けていた。
夫の異変はそれにとどまらず、おかしな行動で鳴海を脅かすようになる。
ある日鳴海の妹(前田敦子)が両親と喧嘩して飛び出してきたが、夫が「義理の兄」という言葉に反応して「お兄さん、義理と言うのはね、血は繋がってなくても家族なのよ。お兄さん、どうしちゃったの?」と不安げな顔で説明すると「家族という概念もらってもいい?」といって真治が義理の妹の額に指を当てると妹は力抜けてぐにゃっと倒れる。妹は起き上がったと思うとあわてて帰ってしまった。
夫・真治はいぶかる妻に「僕は宇宙人で人間の概念を集めている」というばかりだった。
面白い!黒沢監督は夏に埼玉の川口スキップ映画祭の食堂でチラ見させていただいた方。ちょっと孤独感が漂う素敵な監督さんだった。
宇宙人の侵略映画なら世界中にいっぱいあるが、この設定はなかった。
「概念」集めをするには宇宙人たちは「それに付き合ってくれる地球人」を見つけることが一番最初の仕事で、身体を乗っ取られる人(真治のように)とは別。
説明がもどかしくて申し訳ないがいろんな「概念」、いろんな「パターン」で翻弄させられた。でも程よい「翻弄」疲れだった。
☆農家の跡継ぎ青年(満島真之介)の「所有の「の」の概念」が特に印象深かった。
🎬『アメイジング・ジャーニー 神の小屋より』スチュアート・ヘイゼルダイン監督/アメリカ/ミッドランドスクエアシネマ 2にて
マック(サム・ワーシントン)は愛する妻と3人の子供たち(男、女、女)は幸せに暮らしていた。ある日、キャンプ中に上の子ら二人のボート事故があって、そちらに気を取られている最中に、末娘のミッシーが何者かによってさらわれてしまう。
捜索の数時間後に山の中にある荒廃した小屋で血に染まったミッシーの洋服が発見されるが、ミッシーの姿はどこにもなかった。その事件以来、マックはその悲しみで立ち直れずにいた。
ある雪の日、ポストに、犯行現場となった山小屋に彼を招待する奇妙な手紙を発見する。ポスト周りには自分以外の足跡もなく、警戒しながらも一人で山小屋へと向かうが……。
眉ツバものの神様のお話と期待せずに観たが引き込まれた。
マックが手紙で誘われた小屋に行きつく前に大型トレーラーとの交通事故にあって気を失っているときに見る夢が映像になっている。
その中で三人の神(その中の美しい神は石田純一のお嬢さんのすみれさん)に会い、愛娘を殺した犯人でも「許す」ということの難題にぶつかる。そして、自身が悲しむことによって家族がどんなに辛い思いをしているかも気付かされる。
三人の導きでミッシーの屍を見つけるのだ。そこには赤い三日月のような印があった。夢からさめて元気になって家族が幸せな時が映るが、なぜ、夢で見た屍のあると思しき場所を家族で探してあげないのか……そこまでやって終わってほしかった。
🎬『ダンケルク』クリストファー・ノーラン監督/アメリカ/ミッドランドスクエアシネマにて
1940年。連合軍(イギリス、フランス)の兵士40万人がドイツ軍によってドーバー海峡に面したフランス北端の港町ダンケルクに追い詰められる。
ドイツ軍の攻撃の中、トミー(フィオン・ホワイトヘッド)ら若い兵士は生きるためにさまざまな策を講じる。
イギリスでは民間船も動員した救出作戦が始動し、民間船の船長ミスター・ドーソン(マーク・ライランス)は息子らと一緒にダンケルクへ向かうことを決意。
イギリス空軍パイロットのファリア(トム・ハーディ)は不利な状況下で出撃する。
是非是非のオススメ。初日の3回目上映だったが7割の入り。2Dで観たが整音がすごく良く、お金を少し余分にだしてもIMAXをオススメしたい。