2017年09月08日

あいち国際女性映画祭2017 (3)『オリーブの山』『ブルカの中の口紅』

🎬『オリーブの山』ヤエレ・カヤム監督/イスラエル、デンマーク/83分

エルサレム東部のオリーブ山にあるユダヤ人墓地の中の家で暮らす若い主婦ツヴィア。夫はユダヤ教の地域の本部に従事している勤勉な男でいつも疲れ切って帰ってくる。

4人の子供の世話や家事の日々だが、子供たちが学校に出ていった後は、時々、気分転換にタバコを吸いながら墓地を散策する。

ある夜、墓地で人目をはばかることもなく抱き合っている男女を目撃したツヴィア。彼女の単調な日々の生活に大きな変化が起きて…。

広々とした眺めの良い高台にある場所に白い墓がいっぱい並んでいる光景は息をのむ美しさ。そこに黒い服をまとったツヴィアが対比的に使われていた。

伝統的な戒律を守っている生活で、ツヴァイが穢れ(生理中)の時は夫婦のベッドを離していて、終わったら清めの水槽(ミクヴェ) に身を浸してから、ベッドを引っ付けていた。

ストーリーは変わりばえしないツヴィアの毎日を追っているが、彼女の見た男女たちは売春組織で、最後、彼女のとった思いがけない行動に唖然とした。


🎬『ブルカの中の口紅』アランクリター・シュリーワースタウ監督/インド/116分

ブルカ縫製工場を経営する厳格な父親の下で、大学に行く以外はいつもミシンでブルカを縫っている女子大生。彼女の夢は歌手で夜はそっと抜け出してパーティーに出かけている。

美容師の女性はしがない写真屋の男と見合いした金持ちの男の二股をかけている。

3人の子持ちの主婦は、自分に指図ばかりで見向きもしなくなった旦那に内緒で、セールスウーマンとして大活躍。

55歳の未亡人は孫の水泳教室の先生と、自分の名を告げずにテレフォン・ロマンスで熱くなって…。

インド社会の抑圧の中で4人の女性たちは、それぞれの環境に憤懣を覚えているが、いざ、実行となると思うようにいかないジレンマが描かれていた。 女性蔑視の男たちにイライラした。

4人の中で自分の人生を取り戻したのは誰もいないのが残念だった。

☆シネマジャーナルHP スタッフ日記 あいち国際女性映画祭レポート
 http://cinemajournal.seesaa.net/article/453370121.html
posted by ミッキー at 07:53| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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