🎬『七つの米袋』マリセル・カリアガ監督/フィリピン/103分/日本初上映
貧しい農家に生まれたバロンは一生懸命はたらく両親の姿を見て大きくなった。家族は両親、兄、幼い妹の5人家族で貧しいながらも幸せな一家。
借りた農地で米を収穫、地主にほとんどとられるので残りは七袋ぐらい。妹の入院などで一家の米袋が一つ減り、二つ減りとどんどん貧しくなる……
うーん、健気過ぎて、素直過ぎて、ミッキーの汚れきった心がうけつけない…夫婦喧嘩も兄弟喧嘩もない、学校から帰った来ただけなのに大袈裟(そう感じてしまう)な抱き合い、母親が何週間か出稼ぎに行く時はしっかり抱き合い涙する(これは仕方ないかな)。
留守中兄弟は妹の面倒、家事を懸命にやる。勉強もやる。兄弟でタニシやコオロギを捕まえて売りに行く。そんな「貧しいけど家族全員仲良く助け合っています」見本映画だった。
見終わって「日本では作れない映画ね」という言葉がどこかから聞こえてきた。なるほど ! と思った。
🎬『キタキタ』シーグリッド・アーンドレアP・ベルナード監督/フィリピン/95分
札幌で旅行ガイドをしているレア(アレッサンドロ・デ・ロッシ)は日本人の彼氏と親密に付き合っていたが、偶然、同郷の友人と浮気しているところを見てしまい、そのショックが元で目が見えなくなってしまう。
そんな彼女の生活は一変するが、住んでいる家のすぐ前にフィリピン人の男性トニョ(エンポイ・マルケス)がいて、目の見えない彼女に話しかけてきて、次第に親しくなる。
監督さんは2年前のレズビアン&ゲイ映画祭や大阪アジアン映画祭で上映された『アニタのラスト・チャチャ』の方。この作品が大好きだったので期待したが少しがっかり。
人間、見た目が肝心というが、最初の裏切られた日本人男性は(日本人男性とは言いがたく、言葉もちょっとたどたどしい)イケメン。目が見えなくなってから近づいて来た男性トニョは背も低く愛嬌のあるお顔だが百パーセント、イケメンではない。
でも次第に愛するようになるレア。ふあふあした雰囲気の作品だが結末は辛く、意外な(と、いうより意地悪な)終わり方だった。
題名のキタキタはKITAがあなたを見る KITAKITAがまた会いましょうの組み合わせの言葉。
☆シネマジャーナルHP スタッフ日記 あいち国際女性映画祭レポート
http://cinemajournal.seesaa.net/article/453370121.html