1930年代、スウェーデン北部の山間で暮らすサーミ族は、劣等民族と見なされて差別的な扱いを受けていた。
学齢になるとスウェーデン語中心の寄宿舎に入れられ、サーミ語を話すことを禁じられ、その制服を見て土地の人は眉をひそめ蔑視するほどだった。
そんな生徒の中で、こんな土地から出て、普通に暮らしたいと願う少女マリャ(レーネ=セシリア・スパルロク)がいた。
彼女は賢く教師に可愛がられていたが、進学したいと申し出ても「サーミは進学できない、家に帰って独自の文化を継承しなさい」と言われる。そんな土地から逃げ出すマリァだった。
映画はマリァが年老いて実の妹の葬式に故郷に帰ってくる場面から始まる。マリァには親孝行で優しい息子と孫娘が葬式に同行していて、険しい表情のマリァを気遣っていた。
マリャの人生がどんなものであったか、始めと終わりだけで途中は(名前は偽名のままだったのか、どうやって教師になったか、誰と結婚したか)わからない。
上映時間が後30分増えても、そこのところがわかったらもっと良かったのに……と少し残念に思った。
☆サーミ人とは北欧のラップランドでトナカイを飼って暮らす先住民族。言葉、習慣などすべて捨てさせられて、スウェーデン人となった。
☆監督さんも主役の少女もサーミの方でマリャの妹役はレーネ=セシリア・スパルロウさんの妹。