身支度をして今日の映画スケジュールを、映画館「ポレポレ東中野」すぐ近所のイツキcoffee☕️の美味しいアイスコーヒーをのみながら予定をたてた。
まず新宿シネマカリテに行って6時半からのカリコレ作品『フィアー・インク』のチケットを購入。それからキネカ大森に行き戦争もの二本立てを観てから、新宿シネマカリテに行くことにした。
🎬『肉弾』岡本喜八監督/1968年/キネカ大森にて
昭和20年の夏の海にドラム缶に魚雷をくっつけて漂流している男(寺田農)は、今まで生きてきた戦争にまつわる悲しい思い出を語っている。
彼は、工兵特別甲種幹部候補生だったが、広島に原爆が落ち、ソ連が参戦したので、候補生は特攻隊員にされ、一日だけの外出を許された。
彼はまず古本屋に行き、そこの老夫婦の愛に感動し、次は足が向いたのが女郎屋だった。そこで出会った女学生(大谷直子)に一目惚れするが……。
こんな名作を観ていなかった。でもこの時期に観られて本当に良かった。出ていらっしゃる方々の面々に驚いた。全裸になって演じた大谷直子さん、古本屋の両手がない笠智衆さんと楚々とした妻の北林谷栄さん、田中邦衛さん、小沢昭一さん……
台詞も言葉少ないし、ぶつ切りだったが切々と訴えるエネルギーに圧倒された。寺田農扮する男が、最後に10日前に戦争は終わったと糞尿処理船の親父さん(伊藤雄之助)から教えてもらうが、その時のなんとも言われぬ表情が忘れられない。
🎬『陸に上がった軍艦』山本保博監督/2007年
昭和19年、第二次世界大戦の末期。映画の脚本を書いていた新藤兼人(蟹江一平)に召集令状が届く。当時、妻を亡くしたばかりで気落ちした新藤に突然召集令状が届く。30歳過ぎの召集はないと思っていただけに落胆は大きかった。
広島県・呉の海兵団に二等水兵となった新藤と同じように召集をかけられた男たちは農業、洋服屋、八百屋、理容師など30代の男たちばかりで、同期の100人で生き残ったのは新藤を含むたった6人だけだった。
これはずいぶん前に名古屋のシネマスコーレで監督さんトーク付きで観た。この時新藤監督は90歳過ぎておられて、山本監督が「お年だから身体こそ昔のままとはいかないが、映画作りでは妥協を許さない姿勢は変わらない」と語っていたのを思い出した。
☆明日はカリコレ三昧の予定。
横暴な上官だった人たちは終戦後反省したかしら。みんなやってた、と言いわけしそう。